カーナビアプリ 低速モード運用実験

もうすぐ楽天モバイルから別回線に切り替えるのですが、カーナビ目的のみで月に数回使うだけの回線コストは極力抑えたい。事前調査「格安SIM検討/楽天モバイルとの別れの時」で、コスト抑制のポイントは、回線速度が低速モードになった状態でも、ナビアプリが実用に耐えるかが一つの判断要素です。

ここで低速モードとは、

  • NTTドコモ系格安SIMの場合、その多くが200kbps(一部のサービスでは初速UPのバースト機能あり)
  • au系povo2.0の場合、128kbps
  • 一般に低速モード時は、従量制課金の対象にならないので、コスト抑制に大きく寄与

ただし、この実験だけのために回線契約するわけにもいかないので、参照用として現在契約中のUQmobileの節約モード=300kbpsを使用して、その傾向を確認することにしました。

なお、300kbpsは最大期待値であり、保証値ではありません。

専用アプリから、UQmobile節約モードに切替可能
実験時の実速は200kbps弱
節約モードのiPhoneに、テザリングでiPadを繋ぐ

■Yahoo!カーナビ

  • 2014年製のiPad mini 3が古いためか、起動にとても時間がかかります。
  • 起動途中でアプリが落ちてしまうことも。
  • 地図キャッシュを使用するよう設定してますが、最初に地図が表示されるまでに2〜3分待たされます。

実際にナビアプリが走り出せば、300kbpsでも問題なく動作しているように見えます。以下に動作中の画面を録画したものを示します。

注)画面操作は赤信号で停車中に行ってます

評価

ナビ動作中は問題ないのですが、アプリ起動時の不安定さと起動時間の長さに難があります。

■Apple Map(iPhone12でナビ)

2012年に信じられないようなバグ満載でサービス開始したAppleマップ、青梅線にあった「パチンコガンダム駅」が有名ですね。なんと小田原駅も「ショウデンゲン駅」でした。(隣国の人が誤読した模様)海外ではAppleマップのナビ画面に従って運転した人が遭難したとか。。。

あれからもう10年経っているので、もうカーナビに使えるでしょう。

今回は、UQmobileの節約モード(300kbps)に設定したiPhone12でナビを行ってみました。これなら端末の古さによる問題は排除でき、回線速度の影響を純粋に評価できます。

  • 端末が新しいせいか、Appleマップの起動から地図が表示されるまでは一瞬です。
  • 地図データをキャッシュするかどうかの設定はないようです。

評価

地図を先読みしている可能性があるので、敢えて案内ルートをはずれ、リルート並びに地図の更新をさせてみましたが、地図データが軽いのか動作速度に関して一切問題がないようです。

もしスマホ画面サイズのナビでいいなら、新たな回線契約なんていらないし、そもそも低速モードなんて気にしなくて良くなるんですけど。。。

■Apple Map(iPad mini 3でナビ)

他の実験同様に、iPad mini 3をテザリングにてUQmobileの節約モード(300kbps)のiPhone12に繋いだ状態で行います。

なおiPhoneと比較し画面サイズが大きくなるので、視認性は良くなりますが、端末の古さによるレスポンスの遅れが懸念されます。それと画面が大きいことで地図データも大きくなることでしょう。

親木橋で信号待ちのため暫く停止してます

評価

端末の処理能力の差か、iPhone用とiPad用の地図データ容量の差か、やはり地図の書き換えの際に描写が遅れますが、耐えられるレベルでは?と思います。描写が完了したら、車両位置移動にともなるスクロールは問題なしと思います。

一つ気づき事項ですが、iPhoneのiOSは最新の15.6、iPadのiOSはだいぶ昔に更新が止まって12.5.5、マップアプリもiOSのバージョンに合わせて古いんでしょう。さすがに地図そのものが古いことはないと思いますが、ナビゲーションなどの機能に影響がありそうな気がしてきました。これはもう少し使い込んでみる必要があります。

■Google Map(iPad mini 3でナビ)

現行版のGoogle Mapアプリは、iPadのiOS12.5.5ではインストールすらできません。Yahoo!カーナビが起動時に頻繁に落ちたり時間が掛かるのは、iOSが古いせいかもしれません。

■総合評価

1)Apple Map(iPhone12でナビ)

画面サイズの小ささが許容できるなら、回線の準備も不要で、速度制限も気にしなくていいです。またiOSは最新なので、各種最新版のナビアプリの動作にも不安ありません。

2)Apple Map(iPad mini 3でナビ)

ナビの画面サイズの大きさは、「画面を注視する必要が減る」ので安全上極めて有効です。ただしiOSが古いため、使用するアプリ自体も古いものとなる点が不安要因です。

3)Yahoo!カーナビ(iPad mini 3でナビ)

iOSが古いためか、起動時の不安定さや表示完了まで時間がかかるのが課題です。

まとめ

Kanatec本人が運転するなら、ルートの概要は事前に予習してあるし、道路標識も理解できるので、ナビはあくまでも補助システムになります。

ところが、あの方は圧倒的な方向音痴の上、地名の位置関係がわからないので、ナビの案内が全てになります。

このため、ナビの見やすさ、簡単操作、安定した動作などが総合的に求められます。とはいえ、月に数回使用するナビ目的のために、iPad miniを新型に買い替えるのもあり得ないですし。。。