南足柄と富士フイルム

ご近所の南足柄市中沼、開成町牛島・宮台並びに小田原市扇町に大きな事業所がある、グローバル&ハイテク企業です。某H社が小田原から完全撤退の中、世界に誇れる企業がご近所にあるのは素晴らしい。

今回は創業の地とも言える南足柄市中沼の神奈川事業場足柄サイトを中心にお勉強&現地確認してきました。

▪️設立の歴史

母体である大日本セルロイドは、“豊富な良質の水ときれいな空気”との条件で、映画や写真用のフィルムの新工場建設場所を探した結果、「清左衛門地獄」と「浮気(ふけ)ゆう水」がある南足柄市中沼に辿り着き、1933年(昭和8年)1月に工事建設に着工しました。

その後、1934年(昭和9年)1月に「富士写真フイルム株式会社」が誕生しました。

Ref. 富士フイルムのあゆみ

現在の足柄サイト(小田原城址公園の2.8個分の広さ)

ということで、元々南足柄周辺に地縁があったわけではないようです。

富士山

社名の「富士」についても、工場からは矢倉岳の左に富士山の先っちょがギリギリ見える程度であり、風景や地名(富士市)に由来ものではなく社長さんの趣味のようです。

アプリ「スーパー地形」より
Google StreetViewより
湧水

工場建設の決め手になった豊富できれいな湧水は、現在でも使用されているようです。

第一水源地:現地確認では発見できず、帰着後にGoogleMapsで調べた情報です。

GoogleMapsより
GoogleMapsより

第二水源地:清左衛門地獄池

湧水量も安定しているだけでなく、人手でゴミや水草を取り除き、きれいな湧水池を維持しているいるように見えます。

現地確認
現地確認

▪️バレーボール

富士フイルムといえば、実業団男子バレーボールで、1980年後半の熊田選手や川合選手のアイドル以上の人気はよく覚えてます。お二人とも1963年生まれでKanatecの2年下。

富士フィルム男子バレーボール部 – 青春の色は緑
写真集付きのレコードも出ている

ネットの情報では、富士フイルムの体育館で熊田選手や川合選手を見るために、大雄山線の富士フイルム駅は若い女性たちで大混雑したとか。今では全く想像がつきません。

この体育館か?
時計台がある「富士フイルム前」駅
現役時代の熊田選手や川合選手なら、垂直跳びでそこまで手が届いたらしい
現在のダイヤによる想定

17時に練習を終え、18時に大雄山線に乗れれば、20時前にはギロッポンに到着できそうなので、南足柄の田舎暮らしでも十分楽しめそうですね。その日のうちに南足柄に戻るのは無理そうですけど。。。

注)当時は新幹線品川駅はないので、もう少し時間がかかりそう。

▪️最寄駅

富士フイルム前駅
和田河原駅

「東門」というのが工場正門で一般来場者向けの入り口とすると、富士フイルム前駅と和田河原駅どちらからも徒歩10分(800m)になります。多くの来場者は小田原方面から来るので、一般案内として「最寄駅は和田河原駅」が便利かも?

  • 富士フイルム駅 :1925年(大正14年)の仮小田原(=広小路付近)〜大雄山間の開通や、1934年(昭和9年)の富士フイルム足柄サイトの創業開始のだいぶ後、1956年(昭和31年)に開業した駅です。富士フイルムの従業員の利用が多かったようで、単式ホーム1面1線のわりにホームが広かったり、立派な駅舎があります。
  • 和田河原駅 :大雄山線の開業と同時、1925年(大正14年)にできた駅で、現在は五百羅漢駅同様に集合住宅の1階部分が駅になっており、お住まいの方にとって便利そう。

とても大きな工場なので、敷地の南半分に勤務される方は和田河原駅を、北半分に勤務される方と不慣れな来場者は富士フイルム駅を利用するんでしょう。

(たぶんおわり)