小田原の謎(6):鴨宮の台地

謎っていうわけでもないのですが、なぜか鴨宮はちょっと高台になっているようです。
ブラタモリでもよく食いつく「段差、崖」で、その生い立ちには秘密があるはずです。

この高低差のためか、印刷局への導水管は最短距離で水を引くことができず、かなり上流の桑原あたりから延々3.7kmも引っ張っています。

■県道720号線(怒田・開成・小田原線)富士見交差点付近の段差

鴨宮駅の南、ウェルシアから印刷局への道の途中に上り坂があります。
西から東方向に向け、海抜が5.3m→9.3mに上がります。
その境目は、下菊川が流れています。

(注:海抜の情報は、国土地理院に地図から読み取り、以下同様です。)

■県道719号線(鴨ノ宮停車場線)JR路線橋北側の段差

鴨宮駅の西側のJRのガードの北側に、巡礼街道に向かって上り坂があります。(JRの線路が中途半端な高さなので、道路が一旦アンダーパスぽく下がっているので、わかりにくいかも?)
路線橋南側の海抜は6.5m、北側の登りきったあたりの海抜は12.4mと、結構な差があります。

■小田原市保健センター付近

こちらも下菊川を境に東側が1段高くなっています。
付近の県道719号線(鴨ノ宮停車場線)の海抜は4.8m、保健センター付近は7.3mです。

■国道255線 マツダ小田原飯泉店付近

この付近は酒匂川の飯泉橋に近いのでその影響もありますが、橋から東に向かいマツダ小田原飯泉店まで一旦下がり、そこから飯泉交差点に向け緩い上り坂になってます。
海抜は、マツダの前で11.8m、飯泉交差点で14.4mに上がります。

■考察

多分この段差は、酒匂川により作られた台地の境目なんでしょう。でも一応ちゃんと調べてみます。

国土地理院発行の「土地条件」によると;

とのことで、完新世(=比較的新しい時代で、最終氷期が終わる約1万年前から現在)の海底の堆積物で出来た土地が隆起した後、酒匂川で運ばれた氾濫の際の堆積物の最上部に、御殿場泥流堆積物(=2,900年ほど前の富士火山東斜面の山体崩壊堆積物)が2mほど堆積しているとのこと。

■まとめ

酒匂川左岸の鴨宮から中里付近は弥生時代の遺跡が出ているので、酒匂川の洪水の危険のないこの高台で、当時の皆さんが暮らしていたんでしょうね。
海も、山も、川も近いので、今の城山や南町並みに、当時の一等地だったのかもしれません。

そういえば、2021年8月20日に富士山が噴火する予定でしたが、今のところまだのようです。
もしかして旧暦の8月20日=今の暦の9月26日の間違いでしょうか?
このコロナ禍で噴火されるのは困るので、木花之佐久夜毘売命のお取り計らいで、もう暫くご猶予いただければ幸いです。