箱根登山鉄道(小田原〜箱根湯本間)

箱根登山鉄道というと、多くの方は箱根湯本〜強羅間の80‰の急勾配とかスイッチバックとかを思い浮かべると思いますが、小田原〜箱根湯本間も「箱根登山鉄道」になります。

今はもう小田急の車両しか走ってなく、最近は箱根登山鉄道に偽装した赤い小田急も無くなり、多くの皆さんは小田急の路線だと思っていることでしょう。でも、違うんです。

小田原駅構内図 11番線が箱根登山鉄道のホーム(小田急Webより)

■簡単に歴史のおさらい

西暦(和暦)イベント
2022年(R4年)箱根登山鉄道に偽装した「赤い小田急の車両」引退
2006年(H18年)小田原〜箱根湯本間を、全て小田急の車両に置き換え
(小田原〜入生田駅間の三線軌条を廃止)
1956年(S31年)小田原〜箱根板橋間の路面電車 市内線(軌道線)の廃止
1950年(S25年)小田急車両の小田原〜箱根湯本間の一部乗り入れが開始
小田急車両に合わせ、線路の三線軌条化、電圧変更など
1935年(S10年)小田原〜強羅間において、箱根登山鉄道(鉄道線)の直通運転が開始
これにあわせ、並行する箱根板橋〜箱根湯本間の路面電車(軌道線)の廃止

三線軌条の維持とか、故障で自力運行不能となった際の救援も、同一会社の列車でないと連結器の位置が合わないなど保守の問題があります。このほか箱根登山鉄道の短い3両編成のキャパ不足もあり、小田原〜箱根湯本間をロマンスカーの直通運転している小田急の車両に統一するのは仕方ないでしょう。

なおマニアの皆さんはご存知の通り、箱根登山鉄道の車庫が入生田駅の東側にあるため、箱根湯本〜入生田車庫間の三線軌条は現在も使用されています。

■沿線のご紹介

車両とかは詳しくないので、それ以外でなんとなく気になった場所をレポートしてみます。

本社社屋

小田原駅西口、住所は城山にあります。以前は、東口のバーミヤンの近くにあったと記憶してます。20年以上前、何か用事があって一度行ったことがあるような・・・

No Pics.

小田原駅 箱根登山線ホーム

2000年代初頭に撮影した、小田原駅11番ホームに停車している箱根登山鉄道の車両の写真があったはずですが、これが見つからない。

青橋

小田原駅に入線する上りロマンスカー。通過車両を上から撮影できるポイントですが、フェンスが邪魔なのが残念。

フェンスによじ登ると、すぐに通報されると思います。

小田原駅方面を望む
小峰隧道の東側入口
JR信号機支柱の上の飾り金具

小峰隧道東側

こちらは邪魔なフェンスもなく、車などの通行もない場所なので、安心して撮影できます。

すぐ南隣に東海道線のトンネルがあります。東海道線の信号機に支柱の先端に、なんかレトロな飾り金具がついてました。

この場所は、大雄山線点検車両の甲種輸送の撮影ポイント候補として見つけました。

小峰隧道の西側出口
箱根板橋駅方面を望む

小峰隧道西側

トンネルには入口と出口があって、一般に東京に近い側を入口と呼ぶそうで、ここは出口になります。青帯の小田急線普通電車が出てきました。

この先線路は、国道1号線の上を南側に渡り箱根板橋駅に向かいます。

箱根登山鉄道
東海道線

板橋のガード(1)

もともと水路だった場所を暗渠化して道路にしたようです。この辺りまで東海道線が並行しており、東海道線側の方は石組みで結構古そうな構造です。

この場所のすぐ箱根板橋駅よりに、古そうなアーチ型の水路トンネルを見つけたのですが、私有地の先にありそうなため近づけませんでした。

No Pics.

板橋のガード(2)と踏切

(写真撮り忘れ)

2004年当時の駅舎

箱根板橋駅

昔の駅舎がレトロで素敵だったのですが、2000年代に他の駅も含めて一気に改装されています。

板橋踏切西側の急勾配

「日本の鉄道は、原則として1000m進むと25mの高さを上る25‰(パーミル)を限度」らしいのですが、板橋踏切から国道1号線を越える板橋陸橋に向かうこの地点の勾配は40‰あります。

2004年当時の駅舎
2004年当時の三線軌条

風祭駅

(1)2004年当時

昔の風祭駅のホームは、1つの島式ホームでその両側に線路があったと記憶してます。改札を出るとと、上り線と下り線の遮断機に挟まれた「踏切外の安全地帯」に出る変わった構造。

このため、2枚目のような一見して踏切内から撮ったような写真が合法的に撮影できました。

2004年当時はまだ三線軌条が残っていたこともわかります。

(2)現在

隣接する鈴廣の店舗リニューアルに合わせ、駅舎や相対式ホームに一新されています。

現在の線路
現在の線路とホーム

風祭駅のすぐそばにある鈴廣には、引退した箱根登山鉄道の車両が止まっており、カフェになっているようです。

南町の観光施設「箱根口ガレージ 報徳広場」には、かつて路面電車として小田原市内を走っていた車両が止まってます。

ここ数年で鉄道系の観光施設が充実してます。

入生田駅側(車庫入口)
風祭駅側(車庫裏側)

箱根登山鉄道検車区(車庫)

入生田駅東側に車庫があります。箱根山中に車庫を作るスペースはなさそうなので、この辺が一番山寄りの平地です。

ここに車庫があるために、今でも貴重な三線軌条が見られるわけですが、維持管理する側は大変でしょう。

ここに来たのはおおよそ20年ぶりなのですが、車庫の建屋が綺麗に改装されてました。

入生田駅側
箱根湯本駅側

入生田踏切

1枚目の写真は踏切から入生田駅構内を見た様子で、の左側(上り方面)の車庫に入る線路だけ三線軌条になっています。

2枚目の写真は箱根湯本駅方面で、三線軌条が続きます。道路と線路が斜めに交差しているので、自転車で通過する際は、線路の隙間にタイヤを落とさないようビクビクしながら走っています。

牛頭天王神社入口

山﨑付近の旧道より、沢沿いに牛頭天王神社に登っていく小道です。石積みの橋台が結構古そう。

湯本変電所横

箱根登山鉄道の箱根湯本〜強羅間は直流750V、箱根湯本〜小田原間は小田急に合わせて直流1,500Vです。この変電所出力の電源電圧はどちらなんでしょう?写真をよく見ると「大平台線」と書かれたプレートと、「小/湯1500V」と書かれたプレートがついてますので、直流750Vと1500V双方を供給しているようです。

電圧切替セクション
2004年当時の箱根湯本駅

箱根湯本駅構内の電圧切替

箱根湯本駅の山側の4番線臨時ホームが、入生田車庫方面に繋がっています。直流1500Vから直流750Vへの電圧切替セクションは、箱根湯本駅を入生田側に出てすぐのところにあります。

駅構内に入らずに外から見たので、今ひとつ怪しいレポかもしれません。

代名詞の80‰
超激坂21°

箱根湯本駅 塔ノ沢側

箱根湯本駅を出発してすぐ、代名詞になっている80‰の坂になってます。駅からすぐの場所なので、助走なしの登りだけでなく、駅の停車位置に合わせるように下るのも大変そう。

(おまけ)箱根湯寮に向かう21°勾配の激坂、ほとんどスキー場のスロープで、計算すると350‰を超えます。電動自転車Kanatec号も登れないので、ここで調査は終了とします。

箱根湯本駅〜箱根湯寮

(おわり)