箱根駅伝の中継 23周年記念

Kanatecによる箱根駅伝の中継見学は2025年で23周年となります。大迷惑な某隣国発の新型ウィルスはいまのところ(※)落ち着いているように見えますし、半年ほど前に家庭内感染者と濃厚接触し生ウィルスを摂取してあるので暫くはなんとか大丈夫そう。(※:年末年始休暇で、多くの皆さんが賀詞とバイキンを交換するので、発生ピークは1月中旬ころ)

その代わりにインフルエンザが例年より早く大流行らしいですが、10月にワクチン接種したのでこの効果を信用しましょう。

Ref. 神奈川県衛生研究所「2023年(令和5年)週報及び当該週に流行した感染症の発生状況
黄太線が小田原、赤太線が小田原・足柄上センターにおける定点観測数

とはいえ、混みあうレース本番を見に行く気は全くないので、1/1に実施されるであろう往路のリハーサルを見に行きたいと思います。昨年の調査検討に基づき、以下のようなプランで見学実行します。

▪️2024年大会時のデータ(まだ不完全?)に基づくタイムラン

注)以下は2024時のまとめであり、計画検討時には不確定情報や誤った情報を含んでいます。

悪天候時はヘリは飛べない。

  • 飛行中のヘリはFlightRader 24で追うことが可能。なお着陸し駐機中はレーダーから消えるが、FlightRader 24のプレイバック機能を使えば、遡って航跡が確認できる。
  • ヘリは藤沢付近まで移動中継車に伴奏した後車列から離脱し(想定11:40)、四之宮の相模川河川敷に着陸し待機。
  • 約1時間後ヘリは離陸し、国府津付近で移動中継車に再合流。(想定13:00)
  • そこから小田原市街地まで15分程度で到着
  • 湘南平の中継局のカバーエリアは、藤沢市(遊行寺付近?)〜二宮もしくは国府津(前川付近?)か?この間はヘリは伴走しない。(アプリ スーパー地形の見通し判定による推察)

以上をまとめると、本日の見学プランは;

  • 12:00 酒匂橋トヨタ屋上の固定カメラの様子を見学
  • 12:30 往路中継所 鈴廣前の様子を見学
  • 13:00 国道1号線を小田原市街地方面に向かう
  • 13:15 小田原市街地通過予想時刻、本町の歩道橋にて待機、車列の接近はヘリの機影または音で察知

▪️1/1 9:00 FlightRader 24の確認

羽田を飛び立った(仮称)1号機ヘリが大手町上空で待機しています。昨年と同じスケジュールですね。11:45の出動に向け準備を進めましょう。次のチェックは、(想定)11:40頃にヘリが藤沢上空で車列から離脱し、平塚市四之宮の河川敷ヘリポートに給油に向かうタイミング。

▪️9:50 (仮称)1号機ヘリの航跡と機種の確認

(仮称)1号機ヘリは大手町を離れ、品川方面に南下を始めました。ルート的に箱根駅伝の往路と合致します。またFlightRader 24によるとヘリの機種はLeonardo AW169、日テレのニュースリリース「日本テレビと読売新聞の新型ヘリ共同運航について」でもLeonardo AW169の運行を発表してますので、間違い無いでしょう。

▪️10:30 中継ヘリ交代?

注)BAROMETER ALT.=0ft

9:00から中継車の車列をフォローしていた(仮称)1号機ヘリは、川崎上空くらいで車列から離れ、平塚市四之宮の相模川河川敷ヘリポートに着陸した模様。

その後は、同じ機種Leonardo AW169(仮称)2号機ヘリが川崎上空あたりで車列のフォローを受け継いだ模様。

▪️11:20 四之宮から(仮称)1号機ヘリが離陸、戸塚付近で担当交代か?

四之宮河川敷ヘリポートを離陸した(仮称)1号機ヘリが、戸塚方面に向かっていると思われます。

(仮称)2号機は現在戸塚上空に。

四之宮河川敷ヘリポートを離陸した(仮称)1号機ヘリは、あっという間に戸塚上空に到着、速い!自家用ヘリで戸塚のバイト先まで通勤したい。

▪️11:45 (仮称)2号機は四之宮へ

(仮称)2号機ヘリは戸塚影取付近で車列から離脱し、四之宮河川敷ヘリポートに着陸しました。

(仮称)1号機ヘリは現在遊行寺を過ぎて藤沢市街地上空です。そろそろ湘南平の中継局のエリアに入ってきましたので、見学に出動します。小田原通過予想時刻は、当初計画通り13:15とします。

▪️現地見学結果

国道1号線 酒匂橋西端のトヨタ屋上に固定カメラが設置されています。過去には、小田原市民会館(解体済み)や元メガネスーパー本社ビル屋上に固定カメラが設置された時期もありましたが、最近はここが定番となっています。

鈴廣の小田原中継所です。明日の往路本番では、大勢の見物客と立入規制もあり、こんなスッキリとした写真は撮影困難です。やはり駅伝中継の見学は前日のリハーサルが最適です。

高所作業車のゴンドラにカメラを設置し、中継所に駆け込んでくる移動中継車を俯瞰で撮影する大切な映像です。高所恐怖症の方には絶対できない仕事ですね。

放送番組制作を中心とした総合技術会社 千代田テレビの4K対応移動中継車のようです。

ここで一つ問題が発生。Google Mapでは鈴廣は元旦営業になってましたが実際はお休みで、おトイレをお借りすることができず。緊急性はないですが、この後まだ1時間近く行動しなければならないので、心の安らぎのためにも何処かでおトイレを済ませたい。コンビニだと何か買わないと申し訳ないが買うものもなく。そうだ!小田原城の藤棚駐車場のトイレに行こう!

スッキリして見学再開。FlightRader24と目視でヘリの接近状況を確認しつつ、いつでも撮影できるようカメラを首に掛けたまま国道1号線を東に向かい、13時過ぎに浜町(江戸口見附)の歩道橋に到着しスタンバイ。なお、駅伝当日は全ての歩道橋が立入規制されるため、歩道橋の上から俯瞰で移動中継車を撮影できるのはリハの日だけです。

浜町歩道橋より東を望む
浜町歩道橋より西を望む

遠くに何か飛行物体が見えます。FlightRader24で確認すると、国府津の親木橋上空にヘリが飛んでます。ちょうどぴったりのタイミング。

とことがヘリが急接近し、上空を旋回したのち、西の方に飛び去ってしまいました。その後も市内上空を大きく旋回しており、移動中継車の車列をフォローしている雰囲気ではないです。

さてどうなったのでしょう?とりあえずしばらく歩道橋の上で様子を見ます。

13:24、移動中継1号車が来ました!107号車と呼ばれている車両です。

順番通り並んで走っていると仮定し、これはトライクの移動中継2号車です。カメラがリモコン式になってます。

カメラを持ってないので、中継アナウンサーを乗せたバイクですね。トライクのカメラに実況アナウンサーは乗れないため、トライクカメラとバイクアナウンサーは基本的にセットで運用されます。

テレビ中継で「バイク」と呼ばれているカメラだと思います。

カメラを持ってないので、中継アナウンサーを乗せたバイクですね。

▪️まとめと来年への申し送り事項

  • 移動中継車の編成はここずっとこの4輪カメラ2台、トライクカメラ2台およびバイクアナウンサー2台です。
  • コース全体通しでのリハーサルは1/1の往路だけのようです。Kanatec本社上空にヘリが飛んでくるのが、1/1のこの1回だけなので、復路の通しリハーサルはないようです。
  • 大手町スタートが9:00、小田原市街地通過は13:20位です。(交通規制のない一般道を普通に走ってくるので多少時刻は前後する)
  • 元旦のリハーサル見学の際、鈴廣を含め営業しているお店が少ないので、おトイレのタイミングは要注意です。(まあ、コンビニで買い物すればいいでんすけど。。。)
  • 今回の撮影は自転車移動が多いので、小型軽量のミラーレス一眼で行いました。とてもいい天気で日差しが強く、液晶が見づらいため構図が決めにくいし、連写の反応も遅い。やはりしっかり撮影したいときはNikon D50にしよう

▪️ヘリの航跡を再確認してみたら…

見学のため外出していた11:45〜13:30頃のヘリの軌跡を、FlightRader24のPlayBack機能で確認してたら、気になる事項がありました。

注)FlightRader24の時刻はUTC(協定世界時≒グリニッジ標準時GMT)で、日本時間より9時間遅れてます。(JST=UTC+9です)

戸塚区上空で移動中継車の車列のフォローに再び加わった(仮称)1号機ヘリは、その後国府津まで車列をフォローしてます。

藤沢から二宮までは湘南平の地上中継所が担当と理解してましたが、違うようです。

小田原上空を飛行し、Kanatecのカメラに収まったのは(仮称)2号機ヘリで、国府津親木橋の沖で(仮称)1号機ヘリと交代していました。

藤沢〜二宮間はヘリと湘南平併用の中継なのか、湘南平の中継局の運用をやめたのか?去年の運用を確認しようと思いましたが、FlightRader24で7日以上前まで遡ってPlayBackするには有償プランに加入しないといけない。。。

1/2〜3の本番、ヘリの運用を確認し直してみましょう。

▪️1/2 箱根駅伝の中継(往路) 本番当日

日テレ・テクニカル・リソーシズの記事「現場リポート」によると

箱根駅伝は、日本テレビ汐留本社と、各エリアを統括する湘南、箱根放送センターという"親基地"の下に、約40ヵ所もの"中継所"及び"移動車受信ポイント"を設営して、全コースを電波でカバーしています。
それぞれの"移動車受信ポイント"には担当するエリアが割り当てられており、ランナーと並走している移動車(中継車)からの電波を正確に受信し、それを"親基地"に送り届けます。

とあります。ただし2016年の記事なので中継所や移動車受信ポイント数は変わっていると思われます。天候次第でヘリは飛べないので、地上の基地局を基本として中継し、ヘリを使って中継することで多重化やシームレス化しているようです。

今日も晴天で計画通りヘリは飛べそうなので、3〜4区の中継時のヘリの運用を確認してみましょう。なお前述の現場レポートによると、この区間は湘南平の親基地局と江ノ島にある灯台(シーキャンドル)が担当している模様。

箱根駅伝の中継 今昔物語 「第1回(2002年)を振り返る」

箱根駅伝の中継を初めて見学した、2002年の移動中継1号車と2号車の写真を掲載します。現在の移動中継車と比較し、屋根に取り付けられたアンテナの本数がとても多いことがわかります。

車列の編成も2002年当時は4輪の移動中継車3台とバイクカメラ1台でした。移動中継車3号車は1号車にトラブルが起きた際のバックアップと思いますので、今の編成(4輪の移動中継車2台とバイクカメラ2台)が完成形なのかもしれません。

航空法が許すならドローンを導入したいところでしょうが、以前湘南マラソンで観客の操作するドローンがランナーの走るコース上に落ちた事故もありましたので、無理でしょうね。

2002年往路の移動中継1号車(アンテナ多数)
2002年往路の移動中継2号車(アンテナ多数)
往路第4区の中継(平塚〜小田原間)、ヘリの状況確認

国府津沖がヘリの交代ポイントのようです。

3区戸塚から車列をフォローしてきたヘリが国府津沖にて待機
四之宮河川敷ヘリポートから交代のヘリが国府津沖に向かう
3区から車列をフォローしてきたヘリが帰還
四之宮河川敷ヘリポートから来たヘリがお約束その1の酒匂橋の空撮後、小田原市内を旋回(お約束その2のお城の空撮か?)
二宮付近で空撮

昨年、突然国府津沖にヘリが現れたように見えたのは、交代タイミングで帰還する片方のヘリを見逃していたみたいです。

ただし昨年の往路本番は悪天候でヘリは飛んでいませんでしたので、地上系のFPU (Field Pickup Unit) のネットワークのみで箱根路全域カバーできるようですね。(どうしても中継が繋がらないところは事前にわかっているので、CMとか録画素材で繋げばOK。)

往路の中継車の車列

もう今年の箱根駅伝の中継の見学は一通り終わったのですが、せっかくなのでベランダから移動中継車の車列を確認してみました。距離がある上に観覧者や手前にあるお墓などにボカシを入れたため、なんだか分からない写真になってます。

移動中継1号車
報道カメラマン専用車
移動中継2号車
移動中継2号車とペアのアナウンサー
ラジオ中継車
移動中継3号車
移動中継バイク
移動中継バイクとペアのアナウンサー
イタリア製 Leonardo AW169

鼻先の下側についているのがジンバル付きのカメラ?結構小さく見えますので、ドローンなどの空撮用を含め、ジンバル付きカメラが小型化されているのかも?

▪️1/3 箱根駅伝の中継(往路) 本番当日

FlightRader24の無料ユーザは7日分の航跡の履歴しか見れないので、復路中継開始前のヘリの状況だけ記録しておきます。

箱根上空は雲がかかっており、中継基地のある二子山上空は雲の中です。(二子山の標高は1100m弱なので、雲底高度は1000m程度)
07:15の様子

羽田を飛び立ったヘリが芦ノ湖周辺を飛行中。高度は1000mほどなので、ギリギリ雲の下位か?

07:31の様子

ヘリの機影が消えた!
どこかのヘリポートに降りた?
箱根にあるヘリポートは、芦ノ湖スカイライン沿線や仙石原。

07:46の様子

新木場からのヘリが芦ノ湖に到着。ヘリの飛行高度は930mでギリギリ雲の下?

(おわり)