コロナ禍での運動不足で体型に重大な問題が生じており、その対策として自転車で小田原周辺を走ってますが、限りある足柄平野には、新たな訪問場所や目的地がなくなりつつあります。
純粋に運動目的だけでサイクリングが続けられるくらいなら、初めから体型が崩れることなどありません。
いろいろ検討の結果、走行距離自体を目的にできないかと思い、さすがに日本一周とかシベリア鉄道では距離がありすぎるため、適度な距離感の「東海道五十三次 リモートツアー」を企画してみました。
さらに、3月上旬から再開した平日ウォーキング(散歩ともいう)の距離も、せっかくなので移動距離に加算することにします。(本来はこれが正しいような気がします)
■ルール
- 江戸 日本橋をスタートし、京 三条大橋(495.5km)を目指す(バーチャル)
- 自転車の走行距離だけ、”すごろく”のように東海道五十三次を進んだことにする(進める距離だけはリアル)
- 各宿場では、広重さんの「東海道五十三次」に描かれた場所をGoogleストリートビューやネットで探し、旅行気分を味わう(バーチャル)
■現在の位置
■(8)近江国〜山城国編の概要
宿場名(日本橋からの距離) | 旅のルート、難所、要衝 |
---|---|
49 土山 (433.2km) | 現在の滋賀県甲賀市土山町北土山。 |
⏬ | 難所鈴鹿峠を越え、国道1号線に並行した平坦な道が続く。 |
50 水口 (443.8km) | 現在の滋賀県甲賀市水口町元町。水口城の城下町。 |
⏬ | JR草津線や国道1号線と並行し、平坦な道を北西に進む。 |
51 石部 (457.5km) | 現在の滋賀県湖南市石部中央。 |
⏬ | 狭い道、普通の家、昔の町屋造りや現代風アレンジの家などが混在。 |
52 草津 (469.3km) | 現在の滋賀県草津市草津。 |
⏬ 6/12 通過 | 草津市内の中心部は”意識した”街並み作り。 市街地〜郊外の普通に狭い道。 |
53 大津 (483.7km) | 現在の滋賀県大津市御幸町。 |
⏬ | 最後の県境の山越え、山を越えると京都の山科。 |
京 (495.5km) 🎊6/19 ゴール! | 現在の京都府京都市東山区大橋町。 |
2022.06.12 土山宿(春之雨)
難所 鈴鹿峠を越えたところにある宿場町です。
解説Webサイトによると、雨で増水している田村川を渡る大名行列の姿で、左手の林の奥に見えるのは田村神社だそうです。
ここまでピンポイントに場所が特定されてますが、この橋は神社に繋がる歩行者専用でGoogleカーが近づけません。街道は神社の境内を抜け、ここから2kmほど先の宿場の中心に向かいます。
2022.06.12 水口宿(名物干瓢)
「みなくち」と読みます。なんと、遥々栃木県から伝わった干瓢作りの様子です。ちょっと古いデータですが、平成30年(2018年)の干瓢生産量のランキングは、
- 1位:栃木県 257 ton
- 2位:滋賀県 1 ton
- 3位:新潟県等0 ton
ということで、断トツ栃木県の独占状態です。
街道沿いを干瓢に関連する何かを探して彷徨ってみましたが、StreetVeiwの撮影時期がオフシーズンの11月ということもあり、干瓢の痕跡は見つけられず。一応水口のJAでは、特産品として干瓢をPRしてはいますが、「街を上げて干瓢作り!」って感じでもなさそう。
結局、広重さんの描いた場所は特定できず。
2022.06.12 石部宿(目川ノ里)
目川という地区は、石部宿を通り越し、次の草津宿のすぐ手前です。豆腐田楽を売る「いせや」の様子が描かれています。絶対「創業**年」と掲げた「いせや」さんが今でもあるはずなので、探してみましょう。
ところがこの辺の方はあまり商売っ気がないのか、豆腐田楽は嫌いなのか、発祥の地の石碑が残っているだけで、実店舗はないようです。
背景に描かれた山は、この地から北西(※)に見える有名なものだとすると比叡山?
※:田楽屋さん辺りの街道は東西方向に続く道、田楽屋さんは街道の西側に所在していたので、山は「北西」と判断。
2022.06.12 草津宿(名物立場)
名物立場の「うばが餅屋」の絵だそうです。「うばが餅」ってどんなお餅でしょう?
「うばが餅」とは、乳母(うば)が子を育てるために餅をつくって往来の人に売ったものが評判になった店だそうで、お餅の種類というより、作っている人の通称みたいなものですね。
石部宿のいせや(豆腐田楽屋さん)は観光客向けにも現存や再現してなかったので、滋賀県の方は商売っ気がないのかと思いましたが、そんなことはありませんでした。しっかり「うばがもち」屋さんが商売しています。
2022.06.19 大津宿(走井茶屋)
「走井餅」が名物として親しまれた「走井茶屋」。「走井餅」とはどんなお餅でしょう?左下には「走井」の名前の由来となった井戸から、大量の水が湧き出しています。
走(り)井餅考
全く別なお店から違う種類の走井餅が販売されてます。老舗 vs. 本家なんて、権利的に色々ありそうな雰囲気があり、その歴史が気になります。店名や商品名に「り」が入るかどうかも重要な問題なんでしょう。
勝手な想像ですが、
- 江戸時代にあったのは、京阪大谷駅近くにある碑から想像して「走り井餅本家」
- 権利関係に詳しく商売上手な「走井餅老舗」が、先に「走井餅」を商標登録
- これに困った「走り井餅本家」は、店名と商人名に「り」を付けて登録済みの商標を回避。
こんな感じでどうでしょう?
そういえば、地元小田原の外郎(ういろう)屋さんも、名古屋の大手ういろう屋さんと裁判沙汰になったそうです。「たかが和菓子と侮るなかれ」ですね。
2022.06.19 京(三条大橋)
500km近い長旅がやっと終わりました。2022年1月に江戸日本橋を出て、大磯あたりまでは順調でしたが、1月半ばからオミクロン野郎が全国で猛威を震い、小田原の手前でかなり足止めを食ってしまいました。本当に迷惑です。
構図が気になる
奥に見える山は、橋の北東方向にある東山とその先の比叡山だそうです。だとすると、視点の位置は川の西側(右岸)で橋の南(下流)側になるはずです。
視点の位置が間違ってないとすると、川は左上から右下に流れるように見えるのでは?Googleでもそんなふうに見えてますよね?
川と橋の向きを自然に見ると、西側(右岸)の橋の上流側から見ている感じですが、そうなると比叡山の方向が違う。見えている山が比叡山ではなく、南東方向にある山並みを見ている?
脳が目に入る景色を整理できず、何かとても気持ち悪い。。。
最後の最後でまた広重さんの構図と実態が合わないような気がしますが、別に見た通りに描く必要性はないので、絵的によければ全て良しとしましょう。
(おわり)