狩川の支流である仙了川、Google Mapでみると小田原市曽比から開成町に入ったあたりで途切れています。開成町みなみの新興住宅街を流れているのは見たことあるので、その先はどこまで続いて、どこが源流なんだろう?
それでは、小田原市清水新田の狩川と仙了川の合流地点から、源流まで遡ってみましょう。
(1)清水新田 狩川との合流地点
狩川右岸から、合流地点を眺めています。冬場の渇水期ですが、結構な水量があります。
(2)清水新田 小田原市水道発祥の地
狩川との合流地点のすぐ上流に、「小田原市水道発祥の地」があります。現在は石碑と井戸の跡のみで、市の現在の第一水源は、ここから南東に200mほど、水道橋の東側にあります。
この場所をめぐっては、昭和8年に「足柄村騒擾事件」という水利権が絡んだ暴動が起きています。江戸時代ならともかく、昭和に入ってから水争い起きているのが驚きですが、農地や人が増えれば水の需要が増えるので、住民の皆さんは生活がかかってます。
市内で発生した事件ネタは嫌いではないのですが、話が脱線したら二度と仙了川に戻って来れそうにないので、ここでは割愛します。
近くにあるコンクリートの橋、かなり古くて橋の名前とか完成した年の情報が読み取れませんでした。ここの第一水源の利用開始が、暴動が起きた昭和8年なので、それと同時期に建設されたのでしょうか?
(3)清水新田ライブカメラ
狩川の合流点より300mほど上流に、「清水新田ライブカメラ」があります。もちろん河川防災用の設備でしょう。
何と写真撮影しているKanatec本人を、ライブカメラで撮影されていしまいました。(もちろん狙ってました!)
この場所はカメラのみで、水位計はついてないようです。
(4)清水新田〜柳新田の様子
地名から過去に新田開発された土地であることが分かります。現在でもまだ田んぼが残ってますが、かなりの地域は区画整理された宅地になってます。
(5)柳新田ライブカメラ
こちらには水位センサーが付いています。
味を占めたKanatecは、次の柳新田ライブカメラの前で、スマホで確認しながら本人が撮影されるを待ちます。
ところが5分くらい粘ったのですが、一向に写る気配がありません。画像の更新が止まっているのか、撮影から相当量のディレイがあるのか?
スタジオ外のTVライブ中継は、万が一放送してはいけないものが写り込んでしまった際に、オンエアを差し替えられるよう、数秒ディレイを入れていると聞きました。クリミア併合8周年記念のロシア大統領演説が、途中で突然コンサートに切り替わった件、多分この対応では?と思います。
(6)栢山の様子
二宮尊徳さんが油菜栽培したと言われるあたりです。田んぼが広がり、水路が張り巡らされて、とてものどかで素敵な場所です。
「遠きをはかる者は富み、近くをはかる物は貧す。」と尊徳さんの教えが書いてあります。簡単に説明すると、「目先の利益だけ追求してもだめで、遠い将来を見据えて考えなさい」ってことだと思います。
(6)曽比ライブカメラ
こちらのカメラも画像の更新が止まっているのか、撮影から相当量のディレイがあるのか、数分粘ったのですが、一向に写る気配がありません。
写真だと分かりにくいのですが、川を跨いだ梁部分に、水位センサーが付いてます。
(7)曽比〜開成町みなみの様子
県道720号線のすぐ東側を並行して流れてます。このため、この辺は歩道も路肩のスペースもなく、自転車は道路側をとても走りにくい。このため、川と住宅の間の狭い通路をゆっくり自転車で走行します。
とても大きな介護老人保健施設を過ぎたあたりで、県道720号線と川が分かれます。そこから開成みなみ通りまでは土手の砂利道を進みます。GoogleMapだとこの辺で川がなくなってしまいますが、実際はまだまだ続きます。
開成みなみ通りに掛かる下中丸橋から上流は、しばらく特徴のない住宅街の水路になります。
(8)川筋を追うのが難しくなってきた
みなみの新興住宅街を抜けると、川幅がだんだん狭くなり、小さな橋は無名で、川の名前も書かれてません。また暗渠、分岐/合流もあり、住宅に挟まれていて川筋を追えない部分も増えてきました。
2枚目の写真は、もしかすると別な流れかもしれません。
3枚目の写真の交差点の先(吉田島の日枝神社付近)で、完全に暗渠となります。暗渠を追おうとグレーチングを頼りに進みましたが、もともと開成町は水路が張り巡らされた地域なので、もう追いきれずここで断念。
なお、国土地理院の地図だと、水路がかなり詳細に書いてあるのですが、水路が多過ぎてどれが本筋なのか判別つきません。
■まとめ
想像ですが、酒匂川右岸の農地に張り巡らされた水路が集まり、幹線の流れになったのが仙了川なんでしょうね。なので、特定の源流があるわけでない。
結局源流の特定はできませんでしたが、開成町みなみ付近から寿町あたりまで、信号や交通量の少ない土手道ルートをマスターできたので、これは収穫です。
■2022.03.26 訂正
ネット上を徘徊していたら、国土数値情報河川データセットという、国土交通省が公開する河川データを地図表示し、ダウンロードできるサービスを発見しました。
このサービスで「仙了川」を検索したところ、やはり最上流部付近で川筋を間違えていたようです。
(8)写真の1枚目で、左手(西側)から合流している方が、仙了川の本来の川筋だったようです。Kanatecは川幅に釣られまっすぐ進んでしまいました。事前調査が甘かった、反省!