第二種電気工事士試験 なんとか無事に合格しました

第二種電気工事士試験 なんとか無事に合格しました

結構頑張った甲斐もあり、第二種電気工事士の技能試験も、なんとか無事に合格出来ました。筆記試験と違い、技能試験の場合、自己採点というのが出来ないので、結果が出る迄は心配でしたが、それにしても筆記試験の時と同様に、地味な合格発表と合格通知です。もう少し「おめでとう感」があってもいいような気もします。


(左:Webでの合格発表画面、右:合格通知)まあ地味さは別にして、その結果は変わらないので、先ほど迄に免状の交付申請を済ませてきました。神奈川県の場合、神奈川県電気工事工業組合という団体が県の事務代行を請け負っているようで、県庁迄行くことも無く、小田原市内で手続きが済んだのはラクチンでした。免状発行は3週間程掛かるそうです。(もう少し早くても良さそうですが、まあ忙しいお役所の仕事なので)

反省事項

一発合格とは言え、結構色々反省次項があります。今後受験される方の参考になればと思い、以下に纏めてみました。

(1)圧着工具の選定

最初に購入したのが上、後から買い直したのが下です。損失は4,500円程度です。買い直した理由は;

  • 「小」マークの刻印が見えないことがある
    作業方法に問題があるのかもしれませんが、圧着の際に「小」マークが出たり出なかったりの状況でした。確実にマークを出す圧着方法が見いだせず、これで欠陥を取られるのは嫌なので、技能試験での使用を断念しました。
  • 「大」サイズ迄使用出来るタイプのため、ハンドルの開きが大きく、手の小さいKanatecに扱いにくい。これは使い方のコツをつかめばなんとかなりましたが。。。

(2)VVFストリッパーの選定

同じく、最初に購入したのが上、後から買い直したのが下です。損失は3,000円程度です。買い直した理由は;

  • PayPayのキャンペーンポイントを使い、ビックカメラで購入しようとした際、欲しかった下のホーザンの工具が品切れだった。
  • 上の方は1本ずつしか芯線被覆が剥けないが、下のホーザンは3本纏めて芯線被覆剥きが出来、作業時間の短縮が可能

被覆剥き作業は、いずれの候補問題が出題されても必ず必要な作業で、さらに作業点数が多いので、作業時間短縮に効きます。

(3)ドライバーの選定

元々の手持ち工具が上、後から買い直したのが下です。負担額は500円程度です。上の手持ちの+2サイズと-5サイズのドライバーのうち、連結枠の金具を曲げて器具を固定する際、マイナスドライバーの5mm幅だと微妙に足らない感じでした。また後述のVVR芯線押し出しには、軸の途中が太くなる絶縁ドライバーは不向きです。せっかく買い足すので、プラスマイナス兼用で、+2サイズと-6サイズの使い回しししやすいものに替えました。

(4)合格クリップの選定

コード類を纏める樹脂製の器具(上)、明らかに電線を締め付ける力不足でした。始めからホーザンの本物(下)を買うべきでした。「貧乏人の銭失い」の基本です。損失額は300円程度です。

(4)ペンチの選定

試しにダイソーでペンチ(上)を買ってみましたが、全く切れません。「貧乏人の銭失い」のその2です。損失額は200円程度です。元々まともなペンチを持っていたので、完全に無駄な買い物です。

今回マスターした裏技

(1)VVRケーブルのシース(外装被覆)剥き

普通は電工ナイフで加工するのが基本ですが、慣れないと時間もかかるし芯線被覆を傷つけそうで怖いですよね。もし実技試験でミスったら、確実に欠陥ものです。ご紹介する裏技は、VVRのシースを剥くのではなく、芯線をドライバーで必要な長さだけ押し出し、後から余った外皮を切り捨てる方法です。これは、芯線がすっぽ抜けやすいVVRケーブルの特徴を利用したものです。なお、VVR1.6はドライバーで押し出すのはちょっときつめなので、少し出て来たらペンチで引っ張ればOKです。注意点は、芯線を必要以上に引き出しすぎないことと、最後に余ったシースを切り忘れないことです。

(2) ゴムブッシュの穴明け

こちらも普通は電工ナイフで十字に切り込みを入れるのですが、指でつまんで中央のシート部分をニッパーで切れはOKです。時間短縮にもなりますし、使い慣れない電工ナイフで怪我をする心配がありません。

(3)ウォータポンププライヤって必要?

 たった候補問題2問の、ナット1個を締めるだけのためには、こんな重くガザツな工具ではなく、ホーザンの「合格マルチツール」を買った方がいいと思います。Kanatecの場合、バイクや自転車の整備も好きなのですが、ボルトを舐める恐れのあるモンキーやプライヤで、ボルトナットを回すなんて考えられません。なお合格マルチツールなら、(2)のゴムブッシュの穴あけやその他色々な作業にも役立ちます。

(4)ランプレセプタクルや露出コンセントへの電線の取り付け

この作業のポイントは、作業中にネジを床に落とさないことです。いくら追加支給OKとは言え、技能試験本番でネジを床に落とし、どこか遠くの彼方に転がって行ってしまったら結構焦りますよね。更に、器具の裏側からケーブルが出ているので、机上に置いた際にも安定しません。
(説明用に小さめのタオルを使用しています)kanatecの場合、圧着工具とタオルを使って、器具を安定した状態で置き、両手でしっかり作業しています。圧着工具のハンドル部分を使って、器具の裏から出ているケーブルの出っ張りを逃がすことも出来、タオルを敷いていることで、もしネジを落としても、コロコロ転がって行く心配も少ないと思います。もう一つのコツですが、ランプレセプタクルも露出コンセントも、必ず接地側を左右どちらか決まった側に置くようにします。これは接続時の極性誤りを避けるのに有効な、作業時の習慣付けになります。(Kanatecの場合、のの字曲げもネジ締めも、シロ/接地側を左に決めて作業しました)

(5)実技試験作業前の準備(ケーブル延ばし)

実技試験の作業開始前には、作業制限時間40分とは別に、支給されたケーブルや器具の確認のための時間があります。この確認時間中にネジを緩めたりの作業は出来ませんが、支給されたケーブルの長さを確認する振りして、(4)で紹介したタオルでケーブルをつかみ、すーっと引っ張ってケーブルの巻き癖をまっすぐに延ばしてしまいましょう。手のひらで延ばすより、摩擦の少ないタオルを使った方が簡単ですし、これでも実技試験において数10秒の作業時間節約になります。

(7)自分の工具の寸法を活用

ドライバーの寸法

100mmとか150mmと呼ばれている部分は、軸長の長さです。実技試験の場合、ケーブルのシース剥きは100mが多いので、スケールを使わなくても100mmサイズのドライバーで長さが測れる訳です。普通の作業では、わざわざドライバーで長さを測ったりしないのですが、(1)でご紹介したVVRの芯線押し出しの際に活用出来ます。Kanatecの場合は、100mmサイズの軸の50mm部分にマジックでマークしてあり、VVRの芯線50mm押し出し時の長さ確認にも活用しています。

ペンチの厚み

Kanatecの使うペンチの場合、刃の無い方の側面に芯線の被覆を当てて芯線をカットすると、ちょうど12mmになります。10mmカットにしたければ、目見当で先っぽを2mm切れば十分OKです。

工具のまとめ

技能試験の案内で示される標準工具はあくまでも「標準」であり、「必須」ではありません。また電動工具以外のハンドツール等の持ち込みも可能です。あくまでも2019年度の候補問題ベースになりますが、Kanatecの推奨工具は以下の通りです。選定条件

  • 全ての候補問題に確実に対応出来ること(当たり前ですね)
  • なるべく荷物にならないよう、実技試験の際に机上がスッキリするよう、最小限の構成
  • 合格する保証も無いので、まずは費用はなるべく安く

推奨工具

種別工具名
標準工具ウォーターポンププライヤー
→(不要)HOZANの合格マルチツールがあれば、無くても問題無し
圧着工具(必要)実技試験での使用目的なら、○小中の3サイズ対応の小さい方が使いやすいが、なぜか○小中大の4サイズ対応の大きいものより値段が高いケースが多い(もちろんJIS規格対応品であること)
ペンチ(必要)ヘッド部分の厚みに留意し、切れ味のいいまともな工具を
電工ナイフ(不要)HOZANの合格マルチツールかニッパーがあれば、無くても作業可能
マイナスドライバー(必要)6MMサイズの方が、連結枠の金具を曲げる際に使いやすい、HOZANの合格マルチツールで代用可能だが、普通家にあるので
プラスドライバー(必要)+2サイズで軸長100mmがお勧め、VVRの芯線押し出しに使うので、絶縁ドライバのように軸が途中から太くなっているのは不適
メジャー(必要)50cm迄計れるもの、巻き取り式のコンベックスの場合は、ストッパー付きが必須
オプション工具VVRストリッパー
→(必要)芯線が3本纏めて剥けるタイプの方が、作業効率がいい
ニッパー(必要)ゴムブッシングの穴あけや、VVRの介在物のカットなど、細かな切断作業にあると便利、ゴムブッシングの穴あけはHOZANの合格マルチツールで代用可能
HOZAN合格クリップ(必要)電線同士の接続ミス防止と、作業効率アップのため、絶対お勧めのツール
メンディングテープ(必要)スケールを机上に固定したり、接続が複雑なケーブルのタグ付けに使用したり、怪我をした際の絆創膏代わり等、何かとあると便利
タオル(必要)ケーブルを延ばし、ネジを取り扱う時の落下/紛失防止作業マット、出血時のガーゼ代わり等であると便利、不要な時は首に掛けられる長さがお勧め
工具を入れる100均プラカゴ(任意)実技試験時の机上の整理整頓のため、使わない工具を纏めて入れておける必要最小サイズのプラカゴがあると便利、腰袋を勧める方もいますが、結構高いので免許が取れたらいい物を買いましょう

標準工具で不要としたウォーターポンププライヤーと電工ナイフですが、「やはり持ってないと不安」という方は、ホームセンタで一番安いのを購入するか、誰かに借りて、お守り代わりにカバンに入れて試験会場に持参しましょう。
注意:試験会場以外の公共の場所で、電工ナイフの刃を出すと、不審者として通報&身柄確保される恐れがあります。

以上、下期受験予定の皆様のお役に立てれば幸いです。