第二種電気工事士への道、他

久しぶりの更新

半年ぶりの更新です。別に成人病が悪化して入院していた訳でも、満員電車内でイケナイことをして逮捕監禁されていた訳でもありませんが、ちょっと色々忙しくて。。。何が忙しかったかというと:

  • ダイエットのため電動自転車を購入し、あちこち一人でポタリング
  • 第二種電気工事士の受験勉強
  • 小田原に建設中の謎のSVHの調査

って感じです。梅雨に入って天気も悪くポタリングにも行けず、また電気工事士試験も筆記試験が終わり一段落中なので、今日は久しぶりにホームページの更新作業をやってます。半年ぶりにホームページ編集専用マシンであるPower Mac G5(2005年モデル)を立ち上げたところ、いきなりシステムエラーで再起動になりました。まあ、まだ現役で使えていること自体が奇跡的な古いマシンなので、騙し騙し使って行きましょう。(その後は、機嫌良く動いてくれてます)

旧東海道&一里塚探検

電動自転車を購入し、ダイエットのため意味も無く走り回るのはつまらないので、色々考えた結果、旧東海道の町並みや史跡を探検してみることにしました。電動自転車の1回の充電での航続距離は約100km程度ありますが、Kanatec本人の体力の問題もあるので、当面は箱根旧街道の下の方から平塚あたりをターゲットにして調査を開始しました。(往復で最長40~50km程度)結果は随時Google Mapに上げて行きますので、興味のある方は適宜ご覧ください。

第二種電気工事士への道

■資格取得の目的

特に電工屋さんへの転職の予定はありませんが;

  1. 自宅の電気器具のうち、電工資格が無いと交換出来ない部分を自分でメンテしたい
  2. 定年退職後のアルバイトに役に立つ(かも知れない)

って感じです。理由No.1には、いくつか実体験があります。
以前、トイレと洗面所兼用の換気扇が壊れ、業者さんに修理をお願いしました。来てくれた修理屋さん曰く「配線が間違っている」と。。。Kanatec 的には「はぁ?」って感じです。先日迄動いていた換気扇が回らないので、タイマースイッチか換気扇モータの不具合って、普通考えますよね。「後日、修理見積もりをお送りします」と言って、当日は無償で帰った業者さんは、その後一切音信不通です。少々配線が複雑なので、どこが壊れているか分からなかったのかもしれません。もちろん、帰路の途中で交通事故や急病で入院後廃業、ってことは否定はしませんが。。。
仕方ないのでKanatec自身で故障箇所を調査したところ、換気扇のモーターの断線が疑われたため、器具メーカーの某三菱電機さんのサービスに確認状況を説明し、交換部品の提供をお願いしました。その回答は、「モータの温度ヒューズが切れている。モータ交換には電気工事士の資格が必要なため、一般の方に部品の小売りは出来ない」とのこと。
結局は、某三菱電機さんが手配してくれた工事屋さんに、壊れたモーターを交換してもらいました。工事屋さんの出張技術料を含めると、自分で換気扇を丸ごとユニット交換した方が安かったかもしれません。
この他にも、キッチンのビルトイン換気扇の照明スイッチが壊れ、メーカーさんに交換部品の提供を相談したところ、「既に生産中止の機種であり、また交換作業には電気工事士の資格が必要なので、部品の販売は出来ない。専門の工事業者に依頼してほしい」とのこと。
まあ、法律に基づき、本音は提携関係にある工事業者さんの仕事を確保するための模範解答ですよね。
ということで、もう数年後に定年退職を迎えるKanatecとしては、その頃には「時間はあるが、金はない」ので、自分自身で合法的に自宅の電気器具全てを修理交換したいと考えた次第です。

■電気工事士試験の受験申し込み

電気工事士には、主に一般家庭や小規模な店舗などの電気工事ができる第二種と、工場や規模の大きな店舗でAC600V以上の高圧受電設備の工事が出来る、上位の第一種の資格があります。
第一種の方は、第二種の工事範囲もカバー出来ますが、試験合格後に3~5年の実務経験が無いと免許がもらえませんので、Kanatec的には役に立ちません。
このため、まずは電気工事士の第二種免許の取得を目指しました。受験案内から過去の問題迄、必要な全ての情報は以下の団体のWebに詳細に掲載されています。
一般財団法人 電気技術者試験センター
第二種の場合、6月上旬と10月上旬の年2回試験があり、受験料は9,300円です。試験は、筆記試験と実際に電気工作する技能試験があります。
kanatecの場合は、前期の6月上旬の試験に申し込みしました。

■筆記試験合格への道

まずはこれまでの試験問題(=過去問題)を、電気技術者試験センターのWebでチェックしてみました結果、「色々、丸暗記しないと、どうにもならない」ということが判明しました。アプローチとしては、あちこちのWebの解説情報を元に、過去問題を解いてみてマスターする方法もありましたが、効率が悪そうなので、本屋さんで数あるテキストのうち、老眼のKanatecでも読みやすい文字の大きな以下のものを購入しました。
黒本合格シリーズ 第二種電気工事士 筆記問題この1冊で全てOK

 この本を購入すると、特典で、電気器具類の名称、JIS記号並びに外観写真を暗記するため、スマホ等に入れられるPDF暗記帳の他、テキストの主要ポイントを纏めたPDFをダウンロード可能です。テキスト自体は、分野毎の解説の他、過去問題と解説がセットになっており、そして字が大きいのでとてもいい感じです。通勤途中の電車の中では、スマホを使って暗記用PDF で各種器具類を覚えるとともに、ホームセンターに行って(購入もせずに)実物を眺め、器具類に関する基礎知識を習得しました。また平行して過去問題を解きながら、出題傾向に沿って勉強しました。テキストを通しで2回勉強してみた後に、力試しに過去問題を4回分解いてみたところ、時間制限(2時間)は十分余裕あり、点数も合格点の60点に対し、80点は十分行けそうな状況迄仕上げることが出来ました。ここ迄来ると、「有名電機メーカーでのアルバイト歴32年」のプライドが急に芽生え、パーフェクト狙いの欲が出て、残り1週間で過去問題の不正解ポイントを集中的に攻め、6/2の筆記試験当日を迎えました。もちろん自己採点ですが、結果は奇跡のパーフェクト・完全試合です。(ヤマ勘正解も数問ありましたが)もちろん実際のところは、7月上旬に合格通知が来る迄は何とも言えません。(合格通知が来ても、点数は分からないんでしょうね)

(余談)

筆記試験は、杉並区にある明治大学で受験しましたが、最寄り駅から大学迄の間に、電工試験受講セミナーの案内ビラを配る人たちが多数おり、ほとんどお祭り状態でした。受講者も、高校生からKanatecの年齢以上のおじさん迄多数いました。試験時間の2時間のうち、1時間が経過すると回答が済んだ人たちが退室出来るようになります。Kanatecは、もちろんパーフェクト狙いなので、1時間ちょっとで一通り回答が済んだ後、残り時間を利用し、もう一度全問回答し直しました。せっかく杉並迄来て、1時間くらい早く帰るより、1問でもケアレスミスを減らそうって作戦が成功したと思います。制限時間の2時間が終了した頃には、会場にはほとんど人が残っていませんでした。

■技能試験合格への道

7月上旬の合格発表を待っていると時間がなくなるので、見切りで技能試験の準備を開始しました。技能試験の候補問題は、前述の電気技術者試験センターのWebに公開されており、13問の候補から当日1問が出題され、その接続図や施工指示に沿って、40分で作品を完成させる必要があります。この候補問題の情報を元に、施工作業に先立ち必要な単線図から複線図を起こす練習ができます。また、電気工具の有名メーカーであるHOZANのWebで、実際の施工作業の詳細な解説を、動画で見ることが出来ます。第二種電工の虎(HOZAN)やはり、ケーブルの被覆を剥いだり、器具に繋いだりする作業は、Webの写真やテキストの文字解説より、動画の方がとても分かりやすいですよね。この他、電気技術者試験センターのWebには、技能試験の合否判定をするための「欠陥の判定条件」も公表されてますので、自身で作業練習をする際の仕上がりチェックが確実に実施出来ます。なお、候補問題13問分で使用する全ての器具や電線をセットにした「練習キット」なんてもの売ってますが、値段が1万円以上もするので、貧乏なKanatecはもちろん買えません。その代わり、作業を代表するような器具類数点、主要なケーブルを切り売りで数mホームセンターで調達し、現在基本作業を練習中です。そこから先は基本作業の組み合わせなので、現場の応用力で勝負したいと思います。また技能試験の受験に必要な工具類ですが、JIS指定の圧着工具や、作業効率化のためのVVFケーブルストリッパー以外は、電気工作好きの方なら手持ちで充分足りると思います。

練習用に購入した器具(のの字曲げ接続練習用)


電工試験のシンボル「のの字曲げ」を特訓中。(まだ多少不格好です)

練習用に購入した器具(差込接続練習用)

 
左のシーリングですが、極性を示す「接地側」って文字がとても読みにくいです。
もし老眼鏡を忘れたり、作業場所の照明が暗いと、結構アウトっぽいレベルです。

 
コンセントには極性がありますが、このくらいはっきりW(=シロ)って書いてほしいです。

練習用に購入した器具(端子台接続)


今回購入した器具で一番高かったです。(特に買う必要はなかった感じもします)

練習用に購入した器具(アウトレットボックス、管コネクタ、ゴムブッシュ)

 
安かったので、アウトレットボックス、管コネクタ及びゴムブッシュも買ってみました。
マンション住まいだと、アウトレットボックスの穴を打ち抜くのに、とても気を使います。

練習用に購入した器具(リングスリーブ、差し込みコネクタ、接続作業補助グッズ)

 
写真左は、HOZANの「合格クリップ」の代用品です。これなら試験後に転用可能です。

練習用に揃えた工具類

 
アストロプロダクツの工具入れにちょうど収まりました。
改めて購入したのは、圧着工具、VVFストリッパーと電工ナイフです。(どれも結構高い!)
それ以外は、手持ちの工具をかき集めてます。

最も作業に絶対に欠かせない老眼鏡


筆記試験同様、当日もしこれを忘れたら、試験会場近くのメガネ屋に直行しますね。
技能試験迄まだ1ヶ月程ありますので、状況は随時ご紹介して行きたいと思います。

■7/1 前期筆記試験の合格発表

電気技術者試験センターのWebに受験番号を入れて確認してみると、とっても地味な画面で合否が分かりました。まあ自己採点ではOKでしたが、受験番号のマークミスとかの可能性もありましたので、一安心です。それでは本格的に実技試験に向けた特訓を開始しましょう。

■パーツ類の補充

VVRケーブルとか、EM-EEFケーブルとか、(見栄えの問題だけですが)青シースのVVF2.0ケーブルは、小田原市内のどこのホームセンターに行っても売っていませんでした。特に丸形のVVRケーブルは電工ナイフで加工する必要があり、事前の練習が必要です。またEM-EEFケーブルも絶縁被覆の切れ具合がビニルケーブルとは違うようなので、これも本番前に練習しておきたいです。ところが、さすがアキバ、駅改札のすぐそばの電線屋さん「九州電気」さんの店頭には、「電気工事士実技試験」コーナーがあり、必要な電線が1m単位で切り売りされてました。その他の小物パーツも全て揃い、準備万端です。

■練習第1回目

13問の候補問題の中、一番パーツ数と手数が多そうなNo.7に挑戦してみました。複線図の作成は、既に全問2回練習済みで、全て5分以内に完成出来ます。残り時間は35分なので、時間余裕を5分確保し、30分を目標時間に設定しましたが、完成に35分以上掛かってしまいました。途中リングスリーブの圧着ミスもあり、これをやり直した時間が効いています。このままではまずいですね。作業の慣れによるスピードアップだけであと5分以上短縮するのは、ちょっと厳しいと判断しました。

■時間短縮対策(1)

HOZANの解説動画を見直しても、手順自体に大きな問題は無いようです。ただし、一番顕著な差は、リングスリーブで電線を接続する作業のスッキリさ具合が全く違います。スッキリしていれば作業ミスも少なくスピーディーに出来そうですが、Kanatecの場合ここがゴチャゴチャで、繋ぐ電線を探すのに時間がかかったり、圧着の際にスリーブがズレてしまったり、これで余計な時間がかかり、ミスの要因になってます。対策は、HOZANの「合格クリップ」のインチキ代用品を止め、本物をAmazonで調達するとともに、接続部分の電線のさばき方を参考に、候補問題No.1から順番に練習再開しました。本日7/7までに5問作ってみたところ、安定して30分を切れそうな感じです。

■時間短縮対策(2)

芯線を器具に刺すため、10mmまたは12mmに切りそろえる作業があります。もちろん被覆を剥く際に、きっちり長さを計って作業すればいいのですが、以下の通り、ストリッパーの仕様の関係でこれが結構手間がかかります。作業時間短縮のため、芯線被覆は目見当でざっくり剥き、手持ちのペンチの厚みを利用し、長さをその都度計ること無く簡単に12mmカット出来ることを覚えました。10mmにしたい一部の器具の場合は、ちょっと調整するだけでOKです。この作業も結構地味に効いてます。(まあコンマ数ミリの精度が求められるものではないので、慣れてくれば目見当で一発で切れるようになることでしょう)

■時間短縮対策(3)

電線の被覆剥きと芯線の長さ揃え作業って、とても地味な作業ですが、作業数が多いのでこの作業の時間短縮を図ることにしました。Kanatecは、なるべくコンパクトに工具を揃えたかったので、定番のHOZANではなく、小型のTRUSCOというメーカーのストリッパーを購入しました。

(左がTRUSCO、右がHOZAN)手持ちのTRUSCOでも作業品質的には何ら問題が無いのですが、1.6mmと2.0mmの芯線の被覆が1本ずつしか剥けません。HOZANのストリッパーは3本まで同時に芯線の被覆剥きが出来ます。長さ合わせも1回で済むので、作業数が多いためかなりの時間短縮効果がありそうです。ただし、このために新たに3,000円近い工具を買い替えるのもどうかなって躊躇してましたが、再受験を避けるため、覚悟を決めて、先ほどAmazonにて発注しました。

■実技試験結果のご報告

正式な合否発表は7/19を待つとして、とりあえず現時点で書けることを纏めておきます。

出題問題は;

受験した東京都会場(五反田TOC)での出題は、PF管を使用する候補問題No.12でした。試験前の材料が入った箱が支給された際に、持った重さの感じから、「アウトレットボックスが入ってそう」と予想しましたが、その通りでした。


単線図(左)と事前練習の結果(右)

実技試験開始;

もちろん事前に2回も練習してますので、特に問題はありません。全ての候補問題に対し;

  • 複線図と作業指示図作成 :5分以内
  • 電線のカットと下処理 :10分以内
  • 組み立て :20分以内
  • 以上合計35分以内

を事前練習でクリアしてますので、あとは作業ミスの無い正確さと仕上がりの美しさが勝負です。試験本番も、練習通り残り時間5分を残して完成し、一通り欠陥のないことを確認して、40分の制限時間を終了しました。

実技試験終了後;

試験終了から退出出来る迄、結構時間がありましたので、周りの皆さんの作品の仕上がり状況を観察してみました。(注:もう作品には触れられませんので、この段階で見てもカンニングではないです)ご近所の皆さんの作品には、遠目に見ても「欠陥」を確認出来るものや、美的に「ちょっとなあ」的なものもありましたが、時間不足で未完成の人は見られませんでした。

■試験会場の様子

皆さん、特に作業スペースや工具を置けるスペースが気になりますよね。五反田TOCの会場は、一般的な折りたたみの机(横幅180cm×奥行き60cm)でした。

このテーブルに2人掛けで作業をしますので、作業時には前後左右の人どうしの干渉はありませんが、工具を置く場合に、隣の陣地を浸食しないような配慮は必要です。Kanatecは、100均で売っているプラ製のかごを持参し、工具や筆記用具が机上に散乱しないように工夫してみました。

■まとめ

8/19の発表にて、もし合格していたら、今回マスタした受験対策のポイントを改めてご報告します。次回のWeb更新で何の報告も無く、24時間マラソンの話題にだったら、それは不合格だったということです。では、暫しお待ちください。

SVH小田原店

国府津の巡礼街道沿い、某有名電機メーカーの工場跡地に、「仮称 SVH」というとても大きなホームセンターが建設中です。小田原市内にはビーバートザンやD2の老舗ホームセンターの他、カインズホームもありますが、はっきり申し上げて規模が小さく、電材・部材や工具類の品揃えがイマイチです。今回も、電気工事士実技試験向けの工具や練習部材を集めるため、あちこちのホームセンターを何軒も回りましたが、今だ必要なものが揃ってません。謎のSVHですが、6月中旬時点で建物の外観寸法は確定し、その規模は期待以上です。詳しくは、Twitterハッシュタグ「#今日のSVH」でご確認ください。