先日の仙了川の源流調査の際、河川カメラを3ヶ所現認しましたが、河川カメラの前にわざとらしく佇んでいて、うまく撮影されたのが1か所だけ。ライブカメラと言ってもリアルタイムではないらしい。ちょっと勉強してみよう。
■河川カメラ映像の公開サイト
台風などの大雨の際に、防災観点で見ているサイトは以下の二つ。
山王川や狩川、酒匂川は二級河川で県の管理なのですが、国交省 Webの方がカメラの数も多く、地図上に位置がマッピングされているので見やすいです。今回は国交省Web掲載の河川カメラを中心に、現地確認してみました。
■ライブカメラと言ってもリアルタイムではないらしい
いくつかの国交省Webで公開されている河川カメラの画像を、自宅でじっくり確認してみたところ;
- 動画でもコマ送り静止画ではなく、完全な静止画
- 5〜6分間隔で撮影したものが、数分遅れで公開される(最大10分程度のディレイ)
(県Webで公開されている画像は「2分更新」と書いてあるが、そうでもない感じ)
これが河川カメラの前にわざとらしく佇んでいても、なかなか撮影されない理由でした。
このほかにも;
- プライバシーに配慮し、住宅が写っている部分はマスクされている
- 川の増水時など、緊急時の運用は異なる可能性がある
この画像は、天神橋の河川カメラを確認に向かう手前でギリギリ撮されたものです。ほとんど画素数で数えることができるくらいの小ささですが、黒っぽい自転車と蛍光黄緑の上着で、Kanatec本人と識別可能です。
なお、カメラの前に10分ほど佇んでいれば撮されそうなのですが、不審者として通報されそうなので控えてます。
■山王川河川カメラ
山王橋
ソーラー&バッテリー駆動タイプの、河川カメラです。水位計は付いてないようです。
このカメラは、国道1号線の山王橋北側右岸にあります。残念ながら施設の駐車場奥のため、これ以上近づけませんでした。
我が家から一番近いカメラなので、山王川が増水した際に観測してみたい・・・とは思わず、ベランダからリアルタイムに見た方が早くて確実です。
井細田大橋
市街地で近くに電柱はあるのですが、外部電源供給型ではなく、ソーラー&バッテリー駆動タイプのカメラと、水位計がありました。
データ送受信もLTE回線などを使えば、設置工事が簡単ですね。
場所は井細田大橋の上流左岸です。
東洋橋
東洋橋には、国交省Webから見られる水位計と、県Webから見られる河川カメラが設置されています。双方とも外部電源供給タイプのようです。
水位計は、東京計器株式会社製の「省電力型電波式水位計(危機管理型・防災監視用水位計)」と思われます。この水位計はマイクロ波パルスレーダ方式(5.8GHz)で、従来の機械式と異なり流木等の接触や衝突を受けず、超音波式と異なり雨粒等の影響を受けないものだそうです。
豪雨発生時の氾濫危険水位監視にお役立てください。 近年、集中豪雨によって多発する河川氾濫の被害が深刻化しています。 MD-10は、国土交通省の危機管理型水位計として多く採用されている電波式水位計です。河川水位計測の分野で豊富な経験と実績を持つ当社の技術とノウハウを駆使して開発されたMD-10は、洪水発生時でも正確かつ安定した水位観測を実現します。
危機管理型水位計とは
国土交通省の中小河川緊急治水対策プロジェクトによって開発された、洪水時の観測に特化した水位計を指します。水位センサ、通信機器、電池、制御機器の低コスト化と小型化を実現し、今まで水位計が装備されていなかった中小河川に普及させることで防災情報の拡充に役立てることを目的としています。 危機管理型水位計の詳細情報は以下をご確認ください。 一般社団法人河川情報センター 危機管理型水位計
天神橋
外部電源供給タイプの河川カメラです。
久野地区のこの辺りは、かつて氾濫を起こしている場所なので、水位計のほか2台の河川カメラでモニタリングしています。
■仙了川河川カメラ
清水新田
狩川との合流点から300mほど上流、東側から水路が流入してくるポイントに、河川カメラが設置されてます。
田んぼの真ん中で付近に電柱がないので、ソーラー&バッテリー駆動タイプは設置と運用が楽そうです。
柳新田
報徳小学校の東側、こちらも西側から水路が流入してくるポイントに、河川カメラと水位計が設置されてます。
水位計は東洋橋と同じタイプ、東京計器株式会社製の「省電力型電波式水位計(危機管理型・防災監視用水位計)」と思われます。
河川カメラは道を挟んで西側の電柱に設置されてます。
田んぼ中心のエリアですが、この付近は宅地化も進んで電柱もあるため、外部電源供給タイプが設置されてます。
曽比
栢山駅の線路の西側設置されてます。この場所も東側から水路が流入してくるポイントに、河川カメラと水位計が設置されてます。
近くに電源を取れそうな電柱は多数あるのですが、ソーラー&バッテリー駆動タイプです。
■要定川河川カメラ
土掘田橋(どほったばし)
富士フィルム先進研究所の北側、平中島公園の近くにあります。国交省のWebだと水位計のみになってますが、県のWebで河川カメラ画像が公開されています。
富士フイルムについて
- キヤノンの「ヤ」同様、「イ」は大きな「イ」
- 1934年:足柄工場で創業
- 1938年:小田原工場を建設
ご近所が発祥の地なんですね。なんか、勝手に誇らしいです。
実業団バレーボールも有名で、1980年代は男子は富士フイルム、女子は日立の黄金時代で、こちら富士フイルムには川合俊一さんなどのアイドル並みの人気選手も所属してました。
吉田島
日本製紙クレシア開成工場の北西の住宅街、きれいな水が流れる用水路といった感じの場所です。
日本製紙クレシア開成工場といえば
2014年の夏、24時間マラソンで城島茂リーダーのスタート地点位になった場所です。もちろんスタート地点は非公開なのですが、普及し始めていたSNSと多くの挑戦者の力で、見事に事前にこれを発見。 噂では道路使用に関して県警と揉めたらしく、これ以来、確か神奈川県がスタート地点位なることはなかったと思います。
特に増水してない状態で、水面から周辺の土地までは1mも高低差がありません。土手というか土留めの石積みもかなりシンプルな作りなので、大雨による増水の恐れが少ないのか?
だったらなぜか河川カメラがある?付近の電柱には、浸水予想3mと恐ろしい表示もあるので、そうなるとカメラ自体が水没する可能性もあります。
今後、大雨の際によく観察してみます。
■狩川河川カメラ
狩川管理橋
寿町の多古しらさぎ会館の敷地を抜け、狩川の右岸に出たところ、下水処理場の東側にあります。
名前の通りすぐ近くに許可車両と、人や二輪車しか通れない「管理橋」があり、そこに水位計も設置されています。水位計は山王川に設置されているのと同じタイプです。
この場所は酒匂川との合流点のすぐ手前なので、水防状重要ポイントと思われます。
この橋を渡ると、酒匂川のサイクリングコースに繋がります。
狩川
こちらは県のWebで公開されている河川カメラです。カメラの形も国交省型とは異なり、かなりしっかりした作りの「監視カメラ」です。
水位計は昔からよく見るタイプで、「フロート式」でしょうか?狩川や川音川でもこのタイプがいくつか設置されています。
あちこちの河川カメラと水位観測点を眺めてみると、古いの世代のセットはこの組み合わせのようです。
今見ると、水位を測るだけのために、川が増水したら流木が引っかかったり、濁流に流されそうなこんな構造物を立てなくても、って思います。
川の流れに影響のない、マイクロ波レーダ式の水位計、大発明です。
穴部新田
右岸の土手の上に設置されてます。
すぐ近くの土手には金属のパイプが川に向かって伸びていますが、これは何でしょう?水位計の一種?
クラウド利用のIoT水位計で、似たタイプを見つけました。(カタログ一番最後の「水圧型」)
飯田岡
飯田岡駅のすぐ北側、右岸の土手の上に設置されてます。
小台
自転車探検隊にはちょっと分かりにくい場所にあります。
西側から合流してくる水路(川?名称不明)のため土手道が途切れるため、ここを通る人は少なそうです。
岩原
岩原橋のすぐ下流、左岸の土手の上に設置されてます。
この場所に限らず、近くに電柱があって電源を取れる場所でも、ソーラー型が設置されているのですが、どんな選定条件なんでしょう?
■酒匂川河川カメラ
酒匂橋
酒匂橋の右岸上流、トヨタの裏に続く土手道に河川カメラが設置されています。酒匂川の河原から丹沢方面まで広範囲を眺めることができます。
河川敷の広場や交通量の少ない土手道なので、河川カメラに撮されるまで長時間佇んでいても、ここなら怪しまれないです。
富士道橋
足柄大橋
足柄大橋の右岸下流側の下、九十間土手の先端部分にあります。九十間土手は、川音川からの流れの勢いを受け止めるとともに、霞堤も形成している重要な土手です。
この場所は、足柄大橋の上から周辺の堤防を俯瞰できるとても良い場所です。
川音
川音川右岸、酒匂川への合流点手前に水位計が設置されています。フロート式というタイプでしょうか?
また、文久橋の左岸下流側には河川カメラが設置されています。
松田
川音川の合流点の手前、河川カメラはダム放流の電光警告板の隣に、水位計はここから少し上流部に設置されています。
この辺りは酒匂川が流れを南に変える場所で、水流がカーブ外側の左岸の土手に当たる部分であり、また川音川の合流も控えており、今も昔も水防の要所と思います。
2007年9月の台風19号で、このすぐ上流にある十文字橋が落ちたこともあります。
■森戸川河川カメラ
富士見橋
巡礼街道が県道72号線が交わる富士見橋際交差点東側にあります。この150mほど下流に酒匂堰との合流点が、さらにその300mほど先が河口です。
高潮や高波の際や酒匂堰が増水した場合は、この辺りの水位が上昇する可能性が高い場所です。
こちらの河川カメラは、県のWeb公開のものです。同じ場所に、国交省のWeb公開の水位計がついています。こちらの水位計はマイクロ波レーダの非接触型ではなく、川の中にパイプが伸びるタイプで、狩川穴部新田の水位計と同じタイプと思われます。
なお、森戸川は水防上重要の川のようで、ここから1.4kmほどの間に、河川カメラと水位計が3台設置されています。
国府津
コープかながわ国府津店の道を挟んで反対側にあります。写真の右手(森戸川左岸)から水路が合流しています。
こちらの河川カメラは国交省のWeb公開のもの、水位計はマイクロ波レーダの非接触タイプです。
田島
新幹線のガード下にあります。写真の左手(森戸川右岸)から関口川が合流してきます。
こちらの河川カメラは国交省のWeb公開のもの、水位計は川の中にパイプが伸びるタイプです。
非接触と接触型の水位計の使い分けって、どうなっているんでしょう。
早川(ほんの一部だけ)
大窪橋
大窪橋の上流、右岸側の西湘バイパス〜ターンパイク連絡道のガード下にあります。
付近には宅地と河川敷の境界が微妙な場所もあり、2019年の台風19号の早川の増水の際は怖かったでしょうね。