第1章でご報告した、楽天モバイルからpovo2.0への乗り換えですが、申し込みから開通手続き、スマホ 京セラTORQUE G03での動作確認まで無事完了しました。
問題は、モバイルルータ Galaxy 5G Mobile Wi-Fiでは使えないこと。auまたはUQWimaxでの販売端末なので、問題が起きることは全くの想定外でした。ネットで調べてみると、Galaxy 5G Mobile Wi-Fiのソフトウェア更新により、mineo等のau系格安SIMが使用できなくなっていると言う情報があります。
Ref. 【KDDI】Galaxy 5G Mobile Wi-Fi、ソフトウェア更新でキャリア内SIMロック
ややこしいのが、楽天モバイルを含めた他社SIMでは使える状態なので、通常のSIMロックではなく、「キャリア内SIMロック」という状態のようです。(初めて聞いた)
■状況の整理
(1)ファームの状態
Galaxy 5G Mobileのファーム(ソフトウェア)は現時点で最新のバージョンVE3(2022年06月14日)。この直前にもバージョンVE2(2022年05月30日)が公開されている。その前は2022年03月10日、2021年にも複数回更新。結構頻繁に更新されている模様。
(2)受信状態(画面表示)
(2-1)povo2.0 SIM →圏外
APN設定は、標準と対策用の双方を試してみましたがダメでした。
- 標準用 :名前 povo2.0、APN povo.jp、
APNプロトコル IPv4 / IPv6 - 対策用 :名前 povo2.0、APN povo.jp、ユーザー名 user@povo.jp、パスワード povo、認証タイプ CHAP、
APNプロトコル IPv4/IPv6
注)Galaxy 5G Mobile Wi-Fiの設定メニューにはAPNプロトコルの項目はなく、代わりにPDNの設定があるのでこれをとりあえずIPv4/IPv6に設定。
- APNプロトコル :携帯電話回線から他のネットワークへの接続窓口となるゲートウェイ間の、通信プロトコルの設定
- PDN :Packet Data Networkの略。多分通信データの経路のことなので、APN設定と同じでいい?
(2ー2)楽天モバイルSIM →4Gで接続
+A(プラスエリアモード)設定なら「auのプラチナバンド」を優先して掴みます。ST(スタンダードモート)に切り替えると「楽天モバイルの4GLTEもしくは5G」を掴みます。(電波強度の4G/5Gの表示状態と、パートナーエリアのデータ消費量にて確認済み)
これより言えることは、Galaxy 5G Mobile Wi-Fiは楽天モバイルSIMの場合;
- 楽天モバイルのパートナーエリアである、auプラチナバンドを掴んでデータ通信できている(au版の製品なので想定通り)
- au販売端末で楽天モバイルの電波を掴んでデータ通信できているので、SIMロックは掛かっていない(総務省指導の通り)
(3)推論
「Galaxy 5G Mobile Wi-Fiのソフトウェア更新前までは、mineoのau系SIMが使えていた」という情報もあるので、やはりソフトウェア更新で何か(=キャリア内SIMロック?)をしたらしい。
■そういえば、UQモバイルでは使えるのか?
Galaxy 5G Mobile Wi-Fiは、auとUQWimax向けに販売された製品なので、UQmobileなら問題なく使えるようです。
我が家は4Gと5Gの境界線のためか、iPhone12だと4Gを掴むのですが、Galaxyは5Gを掴んでます。
■他のau版ルータはどうなの?
こちらの情報「povo2.0が使えるKDDIルーター」によると、Galaxy 5G Mobile Wi-Fiだけダメな様子。中古調達の際、他の5Gルータが品薄で、Galaxyだけ在庫があったのはこのため?
- ◎:利用可能(オヌヌメ)
- ○:利用可能
- △:条件付き利用可能
- ×:利用不可
試しに、モバイル通信に関する設定項目「APN」についてのパラメータを、各社毎に比較してみました。
× Samsung Galaxy 5G Mobile Wi-Fi SCR01
◎ SHARP Speed Wi-Fi NEXT W07
◎ Huawei Speed Wi-Fi NEXT W06
○ NEC Speed Wi-Fi NEXT WX06
APN設定において、povo2.0では「APNプロトコル」と称している項目が、それぞれ「PDN(Samsung)」、「IPタイプ(SHARP、Huawei)」、「「接続方式(NEC)」と名称が異なってますが、それ以外に違いは見られません。(各社の仕様表の様子から見て、「呼び方」の違い?)
■povo2.0 Webサイト「対応機種・端末」の確認
こちらの「対応機種・端末」に掲載された機種を一通り見てみると、どうもWi-Fiルータが掲載されてないように見えます。良く見ると、iPad以外のタブレット端末も対象機種にない?
試しに、モバイルルータに関してサポート用のAIチャットに聞いてみたところ;
Q:モバイルルータで利用はできますか? A:【モバイルルータとしての利用可否】 はい、データ通信端末でpovo2.0プランにお申し込むことはできませんが、対応端末にてテザリングをご利用いただくことによって、モバイルルータとしての利用も可能です。 ※テザリングを利用してのインターネット通信には、povo2.0プランご契約中のデータ容量が消費されます。そのため、データトッピングの費用は発生します。 (以下、長文のテザリングについての説明のため省略)
- データ通信端末でpovo2.0プランにお申し込むことはできません
→カメラもなく、povo2.0アプリのインストールができないので、これは仕方ない。 - 対応端末にてテザリングをご利用いただくことによって、モバイルルータとしての利用も可能です
→データ通信端末の話からスマホのテザリングに話をすり替えている。
なんか「データ通信端末=モバイルWi-Fiルータ」の話題には触れられたくないような気がする。
考察というか妄想
根拠なしの妄想ですが、音声回線を使えないWi-Fiルータとかタブレットは、機種毎に仕様や挙動が違うのでpovo2.0利用に関する動作保証できないとか?iPadは、Appleの独自仕様が功を奏して動作保証できているのか?
そういえば先日のKDDIの大規模障害の際も、「Androidは音声もデータもダメだったのに、iPhoneは音声はダメでもデータは使えた」と言う現象もありましたので、音声系がデータ系に影響を与えていることはありそうですよね。
■なんでpovo2.0を使えなくしたのか?
総務省のSIMロック禁止に従い、楽天モバイルを含めた他社SIMでは使える状態なのに、なぜau系格安SIMだけでなく、自社格安サービスまで排除するんだろう?
※正確には「Galaxy 5G Mobile Wi-Fi」だけがNGです。
以下、思いつくままに記載。(根拠なし)
- 楽天モバイル潰しで、4GLTE Band3を塞ぐ変更なら理解できるが、今回の事案とは全く異なる。
- 逆に、楽天モバイル0円廃止で多数のユーザがpovo2.0に乗り換えてきているのに、「自社(au/UQ) 販売のルータが、楽天モバイルで使用できていて、povo2.0で使用できない」のはマズくない?
- SIMロックによるキャリア乗り換え障壁と同様に、MVNO潰しは総務省的に許さないと思われる。
- 韓国企業は日本の総務省の言うことなど気にしない?
って言うか、普通にグローバル仕様の製品を提供すれば問題ないのに、何か余計な細工してる?それもと単なるバグ? - Galaxy 5G Mobile Wi-Fiの問題ではなく、auの接続仕様が他の3社と異なり、グローバル仕様のモバイルルータだと使えない?
■ファーム(ソフトウェア)を復元できるか?
- メーカーもしくはキャリアが準備する通常の方法ではファームは更新のみで復元はできない →非公式ツールを使って実施するのでリスク大
- ネット情報では、「前のバージョンのファームでもpovoはダメ」と書いている人もいるが、どのバージョンの結果を言っているのか詳細不明
- 過去のバージョンのファームが入手できるか? →チラッと調べたらハングルで書かれたサイトが出てきたが、残念ながら判読不能
- 確か直近数回のファームの更新で、5Gへの対応が拡張/改良されたはずなので、これを戻すのものもったいない
- 実体験として楽天モバイルはOK、ネットの情報ではdocomoやソフトバンク系の格安SIMでも使える状態であり、au系の格安SIMだけ使えない今の状態が「正=最終形」とは考えにくい、これって自爆?
- 最新のファーム更新は2022/6/14、その前は5/30なので、8月末に向け相当なユーザが楽天モバイルからpovo2.0に乗り換えてくる状況下で、まだ改善される可能性に期待
以上総合的に判断し、リスクを負ってファーム復元に賭けるのは得策ではないと判断。韓国では本日8月15日が光復節なので、これを機に状況改善するのを期待しましょう。大統領も交代しましたし。。。
楽天モバイルからもらったWi-Fi Pocket、売るんじゃなかった。。。
■対応策
- スマホの小さな画面に、不案内な道のルート案内を委ねるのは、安全上の不安あり
- カーナビを使用する都度、iPhone12とiPad mini 3のテザリング接続の操作をしてもらうのは無理
- 月に1〜2回しか使用しないカーナビ用途に、povo2.0以外の月額費用が必要なSIM契約は無駄
- povo2.0 SIMが直挿しできるように、iPad mini 5またはmini 6のセルラー版(SIMロックなし)に買い換えると、中古でも5万円近くかかりそうなので無理(車内に置きっぱなしもイヤ)
などと色々考えた結果、iPad mini 3を継続使用できるよう、4G LTE(5G未対応)の安い中古ルータ Huawei Speed Wi-Fi NEXT W06を買うことにしました。(特に国家レベルの機密を扱うことはないので、大丈夫でしょう)
前述の通り、povo2.0の「対応機種・端末」にはモバイルルータの記載はありませんので、エンジニアの方がブログに書いている情報を信じたいと思います。
- Ref. 「povo2.0が使えるKDDIルーター」
- Ref. 「au W06 モバイルルーター レビュー」
で、調達先はいつもお世話になってるじゃんぱらさん。
この価格の商品に770円の送料がちょっと辛いのですが、梱包もお願いするのでしかないですね。暑いのでハードオフ巡りも面倒ですし、一応Amazon出品の中古も探しましたが在庫なし。中古品購入は、やはり「信頼できるいつものお店」が一番安心です。
届いたらスマホ京セラTORQUE G03からこちらにSIMを差し替え、当初の計画の通りカーナビ用にします。現状までの実験結果だと、トッピングなしの128kbpsでのカーナビ使用は厳しそうなので、#ギガ活もしくはトッピングで必要な時のみ高速化し、最適運用したいと思います。
スマホ京セラTORQUE G03は、自分自身が自転車用ナビに使うので、こちらはiPhone12(UQmobile)とのテザリング運用で全く問題なしで、もしギガに余裕があればHuawei Speed Wi-Fi NEXT W06も使える。
注)通信機・お財布&認証デバイスであるメインスマホiPhone12は、紛失や落下破損は許されないので、絶対に自転車ハンドルには取り付けたくない。(丈夫な京セラTORQUE G03なら、アスファルトの道路に落としても、川に水没させても大丈夫のはず)
着荷しました
注文翌日の昼過ぎに着荷しました、Amazonプライムの並みの速さです。「ランクB」ですが、特に気になる傷や汚れもなく、全くOKです。動作確認とセットアップまで完了し、povo2.0で使用可能なことを確認しました。今回特に設定で気を付けたのは;
- 勝手にアップデートを検索したり自動アップデートはOFF(ダウンロードしてギガを消費しないように)
- 車を駐車してしている間に接続が切れないよう、自動切断機能はOFF(車内での充電は可能なので、操作手数を少なくするように)
なお、肝心のAPNは、本体からは設定できず、PCに繋いで管理画面にログインして実施します。PCとの接続方法はUSBと無線LANの2つの方法があるのですが;
- Mac(macOS 12.5 Monterey)をUSBで繋ぐと、なぜかBluetooth接続のマウスが切断されます。何度か確かめたので間違いないと思います。原因が想像できません、なぜでしょう?Windows10 PCであればUSB接続で設定ツールが起動します。
【訂正】接続ケーブルが充電専用だったため?充電&通信用USB Type-Cケーブルに変えたら、マウスが切断されることは無くなった。原因不明は変わらず。 - MacをWi-Fiで繋いでも「speed Wi-Fi NEXT設定ツール」が起動せず焦りましたが、よく考えたら有線LANも同時に繋がっているので、こちらが優先されているようです。有線LANを切断したら、無事「speed Wi-Fi NEXT設定ツール」に繋がりました。
- iPadを無線LANで繋いで「speed Wi-Fi NEXT設定ツール」を起動可能です。これが一番簡単そうです。
とりあえずフル充電し、バッテリーの様子を見たいと思います。
- 6時間ほどアイドル状態で経過してますが、今のところバッテリーアイコンが下がった様子はなし
- 翌朝12時間以上経過後、若干バッテリーの減少を確認
- 24時間ほど経過すると、もう少しで電欠状態です。
全く通信してない待受状態なので、これから先は実際に使ってみて様子を見ます。特に問題等なければ、本件はこれをもって更新完了とします。以上