我が家には、過去20年分くらいの間に世の中から消え去っていったデジモノが、「Kanatecデジタル遺産(仮称)」として捨てずに保管されてます。
ゴミ屋敷の爺さんと似た心理なのかもしれませんが、「取っておくと、なんか使い道がありそう」って思うんですよね。また古いものでも工夫して使い続けるエコって感じ?
もし家が広かったら、CRT型の初代iMac、大福型のiMac G4(※1)、巨大なプラ筐体のPowerMac G4、巨大なアルミ筐体のPowerMac G5(※1)並びに、白い樹脂筐体のMacBookなどを並べて展示室を作りたいくらいです。
※1:保管しておく場所もなく、現存し稼働しているのは、最終型PowerMac G5(2006)と大福iMacのキーボードだけ。
■Eye-Fiって覚えてますか?
今回新たに、Eye-FiがKanatecデジタル遺産へ仲間入りをしました。
Eye-Fiは無線LAN機能を内蔵したSDメモリカードで、メモリカードを取り出すこともなく、またUSBケーブルを繋ぐこともなく、無線LAN機能を持たない時代のデジカメ写真のデータをPCに吸い上げられるという画期的な製品でした。
皆さんあまり気にしてないようですが、コネクタって電子部品の中でも寿命が厳しくて、抜き差し回数は極力減らした方がいいのです。
■なぜKanatecデジタル遺産になったのか?
当時のEye-Fiのサービスモデルは、デジカメデータを一旦クラウドに上げ、そこにユーザがアクセスする流れだったと記憶してます。Eye-Fiカード売りだけではなく、専用のクラウドサービスを有料で使ってもらうビジネスモデルなんでしょうね。
もちろん購入後期間限定とか、機能限定での無料サービスがあったような記憶もありますが、月額料金の支払いは避けたいため、買ったけどほとんど使うことなく、お蔵入りしてしまいました。
また世の中も進歩/変化し;
(1)スマホカメラの画質や機能向上、無料クラウドサービスの普及
iPhoneの場合、機種切り替わりごとに写真画質も上がってきて、撮影データのiCloudへの自動アップロードやPCとの共有もできるので、わざわざ有料サービスを利用する必要性も無くなりました。
Androidスマホユーザも同様に、自動アップロード先としてGooglePhotoとか無料で使えるサービスはいろいろあります。
結局、スナップ撮影程度ならスマホで十分な時代になり、Eye-Fiどころか安いデジカメもニーズが下がってきました。
(2)高級デジカメは、カメラ本体側に通信機能が付加
高画質撮影用の高級デジカメには、初めから無線LAN機能付きもあり、メモリカードにEye-Fiを使用する必要がなくなりました。
(3)終わりの始まり
2016年、Eye-Fiが事業を分割して2社に譲渡。一つのシステムをサービスとハードで切り売りした時点で、持続可能性は消えたようです。
- Eye-Fiのクラウドサービスを、リコー子会社であるRicoh Innovations Corporation(RIC)のKeenaiへ
- Eye-Fiカードのハードウェアに関する技術を、東芝のFlashAirへ
売れるものは処分して、会社解散となりました。
(4)終わりの終わり
分割譲渡ながら、かろうじて残ったクラウドサービスと無線LAN付きSDメモリカードは、その後すぐに最後の時を迎えます。
- リコーは写真クラウドサービスKeenaiを2018年に終了
- 東芝から事業を引き継いだKIOXIAも、いつも間にかFlashAirの生産を終了
■なぜ今更Eye-Fiか?
(1)落としても水没しても大丈夫なデジカメを購入
すっかり存在すら忘れていたEye-Fi、なぜ突然思い出したかというと、落としても水没しても大丈夫なデジカメを中古で購入したのですが、Eye-Fiの利用がセールスポイントになっていたためです。
中古品を、現物確認できない通販で購入する場合、じゃんぱらとか有名な楽器屋さんとか、普段から利用しているお店だと、中古品のレベル評価基準がわかっているので安心なのですが、今回は値段重視なのでAmazonに出店する初めてのお店からです。
中古品である以上細かい傷は気にしませんが、ゴム部分が劣化でベタベタするのだけは勘弁です。
(2)デジカメ入荷後の現品確認結果
商品説明:中古品 -良い- ランクB/ランク良
→ 見解の相違あり。HardOffだとショーケースではなくプラコンテナに入っているジャンクレベル、ジャンパラだとランクDでしょう。製品写真が3枚だけだったので、もう少し写真を増やしてくれると、「見解の相違」が減ると思います。まあ、見解なんて人と立場で変わるので。。。
商品説明:細かなスレ、キズなどは至る所にあります
→ 説明の通り。満身創痍の上、汚いです。土の中に埋まっていたみたいです。奇跡的にレンズには傷がありません。
商品説明:大きなダメージなく
→ 説明の通り。筐体や液晶の割れとか、ボタンの欠損などはありません。
以上、一部見解の相違がありますが、販売時の説明の通りと考えます。まずはバッテリー充電の待ちの時間を使って、きれいに清掃しましょう。
- 商品紹介:動作良好な商品
→ 最初はOKと思ったのですが、被写体の暗い部分に、2秒周期くらいで黄色っぽい砂嵐ノイズが現れます。電源を入れ直すと消えたり、また出たりで、再現条件がよくわかりません。
念のため、「そういう仕様」ではないことを取説で確認のうえ、Amazon経由でお店に写真付きで相談したところ、すぐに不具合と判断され、返品手続きが開始されました。とても迅速な対応で助かります。
やはり外観の痛み具合から想像するに、内部の電子回路にも結構ダメージがあったと思われます。残念でした。
■結論
肝心なデジカメが返品になってしまったので、Eye-Fiの使い道は完全に閉ざされ、Kanatecデジタル遺産への登録が決定しました。
Eye-Fiはともかく、別なデジカメを探さないと。。。勝手がよくわかって使い慣れた、じゃんぱらで探してみます。