「撮鉄入門 挑戦8回目 準備編」でご紹介した件、iPhone SE3に有線外付けマイクを付けジンバルにセットすると、スマホ先端側に重心がずれバランスがイマイチ。更にスマホのライトニングコネクタに無理な力がかかっている感じで不安です。
また、自転車ナビ用に使っている防水&耐衝撃スマホ 京セラ TORQUE G03(中古購入)は、2017年6月の発売からもうすぐ7年、Androidのバージョンも8.1です。GoogleMapをナビに使用してますが、目的地やルート検索などでモタツキ感が否めません。(地図表示モードは自転車の移動速度なら問題なし)
▪️自分へのお誕生日プレゼントに新しいスマホを買おう!
バイト先で3万円の賞金をもらったので、自分へのお誕生日プレゼントに新しいスマホを買いたいと思います。要求仕様は以下の通りとします。
- 結構な手間と費用の掛かる新規回線契約なしに、端末だけお安く、しかしながら長く使えるようできるだけ新しい機種。
- ジンバルに付けてビデオカメラに使うので、動画性能がいいこと。
- 自転車のハンドルに付けてナビに使うので、防水&対衝撃性があること。
- (重要)φ3.5mmのアナログマイク&イアフォン端子(4極端子)が、ジンバルに干渉しないスマホ本体上部に配置されていること。
- (重要)povo(au)回線で利用可能なこと。(できれば5Gも使えると嬉しい)
こんな条件で探していたところ、イオシスのセールでXperia10 IV S0-52Cでお手頃なものを見つけました。
- 未使用品で27,800円、2022年7月発売、Android 12(最新版Android 14対応、2027年4月30日まで更新対応)
- Kanatec世代的にSony製品の画質と音質に期待。(「カメラまかせで誰でもきれいに撮れる」らしい)
- 防水・防塵性能に加え、高耐久ゴリラガラスを採用。(「水や衝撃に強いタフボディ」らしい)
- 4極コネクタの有線ヘッドセット対応、3.5mmオーディオジャックを本体上部に配置。
- docomo版simフリー。(重要:対応周波数を要確認)
▪️対応周波数の確認
最近のiPhoneは、対応周波数を気にすることなくどのキャリアでも制限なく使えますが、Xperia 10 IVはキャリアごとにモデルがあるんですね。キャリアモデルごとに仕様を分けるのはコスト的に不利と思うんですが、そうしないとキャリアに採用してもらえない?この辺は、キャリアと端末メーカーの力関係で決まるんでしょう。
Xperia 10 IV 4G LTEの対応周波数比較
SIMフリー版 | 1 | 3 | 4 | 5 | 8 | 12 | 18 | 19 | 21 | 38 | – | 41 | 42 |
docomo版 | 1 | 3 | – | 5 | 8 | 12 | 18 | 19 | 21 | – | 39 | ❌ | 42 |
au版 | 1 | 3 | – | – | 8 | 12 | 18 | 19 | – | – | – | 41 | – |
B41(2.5GHz帯)が非対応だが、この周波数帯はUQ -WiMAX用だったような。。。auのメインバンドのB1、東名阪バンドのB3と、プラチナバンドのB18に対応してるので4G LTEはOKと判断。
Xperia 10 IV 5Gの対応周波数比較
SIMフリー版 | n3 | n28 | n77 | n78 | n79 |
docomo版 | ❌ | ❌ | ❌ | n78 | n79 |
au版 | n3 | n28 | n77 | ❌ | n79 |
なんちゃって5G NR化のn3 (1.7GHz)とn28(700MHz)には繋がらない。docomo sub6 n78(3.4〜3.7GHz)はau sub6 n77(4.0~4.1GHz)のサブセットで、docomo版でauの5Gが使えるかは微妙。(n77に対応するau版のSIMフリー機種なら、docomoの5G n78はカバーしている。Ref. https://www.pc-blog.info/archives/84753487.html)
出荷時のAndroid 12から13〜14に更新したり、ファームの更新のなどで仕様拡張される可能性もあります。以下の総務省の資料だと5G n78(3.7GHz)はauもサービス提供しているようなので、繋がる可能性もありそう。
それでは、OSやファームを最新化して現地確認してみましょう。
▪️スマホの初期設定とソフトウェア更新
キャリア版スマホの最大の難点が大量の不要アプリ。キャリアが勝手にインストールした不要アプリを削除または無効化し、最大限シンプルな状態に仕上げます。これも意地悪して削除や無効化ができないアプリがあります。キャリアご謹製アプリは、希望者向けの後付けオプションにして欲しい。
次にOSを最新版まで一気に更新。これでAndroid 14になります。あとは必要なアプリをインストールし、動作チェックすれば完了。
削除できない不要アプリがまだ多数ありますが、TOP画面からは見えないところにあるので、こんな感じにすっきりとしました。普段活用するアプリは、自転車ナビ用のGoogleMap、自動車のサブナビ用のY!カーナビ、そしてジンバル制御用のDJI GOアプリのみ。
万が一の破損や紛失/盗難に備え、ショッピング/金融系のアプリや認証キーのアプリは一切含めません。
受信バンド確認用に入れたアプリ「Network Cell Info Lite」のウィジット画面です。これによると、電波強度はかなり低いですが自宅にて5G(NSA) KDDIに繋がっているように見えます。でも接続しているのはLTE B1にも見える。
NSA(ノン・スタンドアローン方式)は、4G のコア装置と5Gの基地局を組み合わせるシステム構成。
スクリーンショットを拡大してみたら、左上の時刻の横に「NR Sub6」とスマホにも表示されてます。
▪️対応周波数 現地確認
予習(1) auの5Gエリア確認(2024.03時点)
現地確認する場所は以下の通りとします。No.1〜3の5G sub6は期待を込めて繋がって欲しい、No.4〜5の5G NR化は繋がらない予想。
ちなみにiPhone12でUQ(au)の5G sub6エリアの現地確認した結果は、「au 5Gエリアが拡大」にまとめてあります。
- 5G sub6 小田原駅東口
- 5G sub6 酒匂橋トヨタ横
- 5G sub6 田島地区
- 5G NR化 フレスポ
- 5G NR化 鴨宮駅北口
予習(2) 受信強度測定アプリ「Network Cell Info Lite」の画面仕様
メーターはLTEの電話測定結果で、Bandは掴んでいるLTE電波の周波数帯のようです。
受信実験No.1(au 5G sub6エリア内)小田原駅東口 北條ポケットパーク
Xperiaの画面表示上は5G接続しているようです。左上に小さく「NR Sub6」と表示されてますが、エリア図上はNR化の中のSub6エリアなのでどちらに繋がっているのか?(NR Sub6というのは一つのアイコンで、「どっちかに繋がっている」ということ?マニュアル見てもよく分からず。)
受信実験No.2(au 5G sub6エリア内)酒匂橋 トヨタ横
小田原で最初に整備されたの5Gエリアです。ここでも5G(NSA)で繋がりXperiaの画面左上に小さく「NR Sub6」と表示されてます。この場所もエリア図上はNR化の中のSub6エリアなのでどちらに繋がっているのか?
受信実験No.3(au 5G sub6エリア内)田島地区 第二森戸橋
こちらもNo.1〜2と同様で、5G(NSA)で繋がりXperiaの画面左上に小さく「NR Sub6」と表示されてます。Xperia+povoにて下り67Mbpsは本日のベストです。
受信実験No.4(au 5G NR化エリア内)フレスポ 北館
auの5G NR化エリアにやってきました。軒下のベンチで計測した結果、建物の影に入ったらしくiPhone側は5GではなくLTE接続になってます。Xperiaは5G(NSA)/NR Sub6表示のままなので、5Gで繋がっているようです。
受信実験 No.5(au 5G NR化エリア内)鴨宮駅北口
こちらもauの5G NR化エリアです。Xperiaは5G(NSA)/NR Sub6表示のままなので、5Gで繋がっているようです。Xperia+povoにて下り66Mbpsは本日第2位です。
▪️まとめ
予想に反し、docomo版SIMフリーのXperia、小田原市内のauの5Gエリア(NR化並びにSub6?)で電波を掴み、実用上問題のない通信速度が出てます。仕様上はNR化のn3/n28には対応してないはずですが、Sub6エリアかはかなり離れた場所でも5Gのマークが出るので、NR化に繋がっている様子。出荷後のOSや端末のソフト更新で、n3/n28も使えるようになった?
今後のテスト予定は;
- 小田原コスプレ祭りのビデオ撮影
ご近所のヒーロー 柳沢慎吾さんを中心に、ジンバル&外部マイクのセッティングで動画撮影テストしたいが、小田原最大の観光イベントなのでとても混み合いそう。 - 5G NR化と4G LTEの境目付近を徘徊
Kanatec本社周辺も未だ4G LTEエリアですが、周辺を5G NR化エリアに囲まれ、その近傍にSub6エリアもありとても不安定。この辺の境目を徘徊しどんな挙動を示すか確認したい。
2024.05.03 追加受信実験
5Gの接続バンドがよく分からないので、別なアプリ「G-NetTrack Lite」で受信実験をやり直してみました。
(1)5G Sub6エリア 酒匂橋トヨタ側
受信バンドは5G Sub6のN78とLTE B1を掴んでいるようです。これは仕様通りなので順当な結果です。
(2)5G NR化エリア 清水新田狩川土手
端末の仕様上は対応していないn28を掴んでいるように見えます。OSやファーム更新で対応するようになったのか、それとも何か技術的な理由があるのか?
(3)4G LTEエリア NAPS小田原店
これは仕様通りの挙動です。
▪️まとめ(その2)
Android 14にアップした状況だと、docomo版SIMフリーのXperia 10 IVを、au(povo 2.0)で使用する上での技術的な制限はなさそうです。
SIMロックや契約期間縛りを国に規制されたキャリアが次に考えた「乗り換え障壁=対応バンド問題」は、なんとか回避できた模様です。めでたし、めでたし。
(おわり)